コミュニケーション能力向上!コミュ力を上げる7つの方法




坪井一真です。

人と話をするのに苦手意識を持っている人は少なくありませんよね。特に、話し相手に対する情報が少ないとそうなることは多いものです。それは、多くの人が話をすることにのみ意識を向けているからといっても過言ではありません。

「何か話をしなくてはいけない。」という思考回路になってしまうと、意識が自分の内側に向いてしまいます。そのため、会話に意識を向けることが出来なくなってしまうんですよね。その結果、相手との会話が盛り上がらずに終了してしまうなんてことに・・・

こんな事が続いてしまうと、心の中で自分を責め続けてしまうといのが人間の悲しいサガ。そして、いつの間にかコミュニケーション能力に対する自信がなくなってしまうのですから辛いものです。

コミュニケーション能力向上のためには、「何か話をしなくてはいけない。」という誤った価値観なんてなくすべきです。その上で、コミュニケーションがはかどるための方法を知ればいいんです。

今回の記事では謝った価値観をなくし、コミュニケーション能力向上のため方法を書かせてもらいますね。

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Ⅰ.コミュニケーション能力を高める方法

この章では当ブログにてコミュニケーション能力を高める方法について書かれた記事を用途別に紹介させて頂きます。それぞれの記事の要約をお伝えさせて頂きますので、あなたの状況にあった記事をご覧下さい。

1.話し方

下記の記事では最低な話し方の19の事例をまとめさせていただきました。最低な話し方を知る事で、自らがそのような話し方に陥らないようになります。ひとつひとつの事例にワンポイントアドバイスを入れていますので、同様な話し方にならないようにするためのヒントとしてご活用下さい。

2.非暴力コミュニケーション

下記の記事は非暴力コミュニケーションの方法について具体的なやり方を書かせて頂きました。非暴力コミュニケーションとは文字どおり争いにならずに自らの気持ちを伝えて行く事が出来るコミュニケーション方法です。

通常のコミュニケーション方法では少なからず争いの火種を含んでいます。小さな火種が大きくなって行った経験はあなたも持っているのではないでしょうか?非暴力コミュニケーションを身に着ける事で争いな火種を起こさないコミュニケーションが出来るようになって行くのです。

3.信頼関係

コミュニケーション能力を高め目的は人と信頼関係を築くことにあります。下記の記事ではコミュニケーション能力を高めて人と信頼関係を容易に築いていける方法についてまとめさせて頂きました。この記事を読むことで人と信頼関係を構築するまでの時間がぎゅっと短縮出来るようになって行く事でしょう。

4.ノンバーバルコミュニケーション

ノンバーバルコミュニケーションは私たちが考えている以上に重要なコミュニケーション方法となります。心理学者のアルバート・メラビアン博士のコミュニケーションにおける研究結果ではノンバーバルコミュニケーションで93%の印象が決まってしまうという衝撃的なデータがあります。

下記の記事では私たちの印象を決定づけてしまうノンバーバルコミュニケーションについて書かれた記事となっております。

5.サーバントリーダーシップ

サーバントリーダーシップのサーバントとは「奉仕者」という意味を指します。奉仕型のリーダーシップスタイルという事です。サーバントリーダーに求められるのは相手を尊重する姿勢です。

傾聴力や共感力、癒しを与えて行く事が大切なのです。相手と密接なコミュニケーションを築く事が重視されているリーダーシップスタイルとなります。

下記の記事ではそんなサーバントリーダーシップの特徴と具体的なコミュニケーション方法についてまとめさせていただきました。

6.職場の人間関係

コミュニケーション能力を高める事は職場の人間関係に大きく影響して行きます。特に苦手意識の高い上司や同僚に対して効果を発揮して行きます。

下記の記事ではそんな職場において苦手意識の高い人たちに対しての対処法をお伝えしています。コミュニケーション能力を高める事で職場において最も憂鬱な人間関係が改善されて行くのです。

Ⅱ.コミュニケーション能力向上のために必要な価値観

この章ではコミュニケーション時に必要な価値観について考えて行きたいと思います。

どのように相手と接するかという心構えをもち、自らの強みや弱みなど客観的に分析することはとても重要です。なぜなら、これらの事を意識する事は、コミュニケーションにおいてコンパスと地図を持つようなものだからです。コンパスも地図もなく未開の地を探索するのとはまったく違います。

コミュニケーションに苦手意識を持つ多くの人は未開の地に何の準備もなく挑もうとしているため、どうしていいかが分からないだけなのです。

この章でしっかりと冒険準備を整えて行きましょう。

1.話下手でもコミュニケーション能力は磨けるという自信を持つ

「何か話をしなくてはいけない。」と考えている人は得てして、自分自身のトーク力ですべてを乗り切ろうって考えを持っている事が多いんですよね。お笑い芸人や身近にいる話し上手な人のように巧みな話術を駆使し、相手にあきさせずに話をし続けることこそが自分自身に求められている唯一のことだと考えてしまっているのですから、ハードルの高いこと山の如しと言った感じです。。

この時点で、無類のトーク力を持つ人たちとの比較が始まってしまうわけですから、自分がどんなにトーク力を向上しようとしても勝ちの目は薄いと言わざるを得ません。そして、自分自身のトーク力のなさに嫌悪感を抱き、落ち込んでしまうんです。このような思考回路に陥ってしまっては、自信を無くすだけでいいことはひとつもありませんよね。

コミュニケーション能力向上を果たすには、もちろん多少のトーク力も必要ですが、それ以上に、相手の話を引き出していく技術が必要不可欠です。トーク力には持って生まれた才能や、性格といった部分も大きく反映してきます。だから、トーク力を一定のレベル以上に大きく向上するには並はずれた努力が必要となります。

特に、相手の情報が何もない中でトーク力によって道を切り開いていく等ということは、プレゼンテーション並に念入りに準備をしない限りは難しいというもの。話す相手ひとりひとりに対してそこまで念入りに準備するという事は不可能に近いですよね。

その点、話を引き出す技術は生まれ持った才能や、性格が大きく反映されません。相手に沿って、相手の話を引き出していくのですから、自分自身の個性を前面に出す機会はそれほど多くはないのです。また、相手の話に好奇心を持ち、相手から情報を引き出していくため、相手の情報が何もない状態でも会話に困ることはありません。

2.相手に興味を持つ

コミュニケーション能力の向上において土台となるものは実は話し方でも聞き方でもありません。なによりも大切な事は相手に興味を持つという事です。

あなたが嫌いな相手や苦手な相手と話をする場面を思い返してみて下さい。きっと、話をしていてとても不快な気分になって来ますよね。こんな気分じゃコミュニケーションを弾ませるなんてことは出来るはずありませんよね。

だからといって、嫌いな相手や苦手な相手を好きになる事なんて無理ですよね。

相手に興味を持つという事は、相手を無理に好きになるという事ではありません。この人は本当はどんな人なんだろう?という好奇心を持つだけでいいんです。

嫌いな人や苦手な人というだけで心のシャッターを下ろしてしまっては会話が成り立つはずはないですしね。ただ、嫌いな人や苦手な人に対しても好奇心なら向ける事は出来ると思いませんか?

初めて話す人や、気心の知れた友人に対しても好奇心を向けるとあなた自身の接し方が変わって来るのは当たり前と言えば当たり前の事なんです。

心のシャッターを閉じてしまっては会話は成り立ちませんし、緊張ばかりしていてもそうです。また、相手に意識を向けず自分の話ばかりしていても会話ではありませんよね。

あなたが相手に好奇心を向ける事が出来ればこのような事は当然なくなります。

私たちコーチは好奇心を相手に向ける専門家と言えます。そこで、この章では私たちコーチが意識的に行っている好奇心の向け方についてお伝えして行きますね。

①.ゆりかごから墓場まで

相手に興味を持つ方法として、相手が生まれた瞬間から死ぬまでを創造するという方法があります。あなたが会話相手を見ている視点は相手の人生のほんの一部でしかありません。

相手には相手の人生があり、自分が知らない様々な側面があるという事が、相手の人生を想像するうちにより鮮明に実感出来るようになってきます。

この人はどんな人生を歩んできたのか?という視点に立って相手と接する事が出来れば、相手に対しての好奇心は尽きる事はなくなって来るものです。

結果、コミュニケーション能力の向上に大きく貢献してくれるはずです。

②.スポットライトをあてる

相手にイメージの世界でスポットライトをあてるのも好奇心を向けるのに効果的です。会話において相手に意識をあて続けるのはとても大切な事です。なぜなら、気を抜くとすぐに自分の方に意識が戻ってきてしまうからです。

相手にイメージの中でスポットライトをあてる事で、自分に対して意識が戻って来にくくなるという効果があります。また、スポットライトが当たっている相手はどんな人なのだろう?と想像して行くと好奇心も湧いてくるでしょう。

相手に好奇心を向けるにはこのように意識的に行う事が効果的です。

③.相手に向かって両手を伸ばす

相手に向かって両手を伸ばすと言っても実際に相手に手を向けるわけではありません。スポットライトと同じく、相手に対して心の中で手を伸ばすイメージをしてみて下さい。この方法も自分に意識が向かないようにする方法です。

相手に対して意識を向け続ける事で、相手はより話をしやすくなって来る事でしょう。意識が相手に向かう事で表面的な話だけではなく、より深いレベルでコミュニケーションが成り立つようになって行きます。話の質が変わる事で興味が出てきてより好奇心が湧いて来るようになるでしょう。

3.対等のコミュニケーションを心掛ける

私自身とても気を付けている部分です。コーチは対等のコミュニケーションのプロフェッショナルです。対等のコミュニケーションとはどんな人でも一人の人間として尊重し対等に話をする事です。評価・判断せず、ただ目の前の人と対等な関係を意識して行くという事です。

反対に上下のコミュニケーションとは上の立場から、下の立場にものを伝えていくコミュニケーションだと言えます。

代表的な例がアドバイスやほめるという事。相手の能力を自分が評価・判断を下して相手を決めつけて行く話し方です。

また、相手との距離感を掴めなかったり、思い込みに支配されて相手を判断してしまうことも対等のコミュニケーションではありません。

①.課題の分離

アドラー心理学では上下のコミュニケーションをする人たちは課題の分離が出来ていないと述べています。課題の分離とは相手の課題と自分の課題を分けて考えられない事を指します。

例えば、宿題をやっていない子供に対して、母親が宿題をやりなさいと命じたとしたら、母親は上下のコミュニケーションで子供の課題を取り上げている事になります。

課題の分離が出来ていないと、自分も相手もとてもつらい状態に陥ってしまいます。思い通りに相手が動かない事での苛立ちは課題の分離が出来ていないからこそ発生するものです。また、自分の課題を奪われた相手も奪った相手に対してフラストレーションを抱えてしまうものです。

また、ほめるという行為もアドラー心理学ではよしとしていません。ほめるかわりに勇気づけを推奨しています。勇気づけとは「ありがとう」など感謝の表現を使う事です。

ほめるという行為には何かをしたという前提がありますよね。前提があるからほめるでは、動物に芸を仕込むのと変わりません。それでは人は育ちません。前提もなにもなくただ相手の存在を肯定する感謝のほうがはるかに効果的なコミュニケーションとなります。

課題の分離をどのように意識して行くか?によってコミュニケーションの質が変わります。相手の課題は相手の課題。自分の課題は自分の課題としっかり分けて考える事が大切です。

ニーチェは著書「漂泊者とその陰」にて課題の分離が出来ていない人について言及しています。

親しくなれば相手の私事に立ち入ってもかまわないと考えているような種類の人間とは、決して付き合わないことだ。そういう人は、家族のような付き合いと称しながら、結局は相手を自分の支配下と影響下に置きたがっているだけなのだ。

友人関係の場合でも、互いを混同しないような気遣いと配慮は大切だ。そうしないと、友達でいる事も出来なくなる。

自分は相手の課題を奪っていないか?という事を意識して相手とコミュニケーションをする事で、相手の課題に土足で首を突っ込むようなことはなくなって行くでしょう。

アドラー心理学について詳しくは下記のリンクをご覧ください。

【アドラー心理学入門】人を必ず成功に導く21世紀の劇薬アドラー心理学とは?

②.心理的境界線をしっかりと引く

心理的境界線をしっかり引くとは、「ここまではいいけど、ここからは入ってこないでね。」としっかり心理的距離に境界線を引く事です。

人から嫌われるのを怖れるあまり、自分よりも人を優先してしまう都合のいい人ほど、心理的境界線を引くことが出来なくて苦しんでいます。

コミュニケーション能力を向上させるにあたり、覚えておきたい事は、対等だという事です。自分が我慢して相手に合わせてばかりでは対等のコミュニケーションとは呼べません。

心理的境界線をしっかりと引くという事は、相手に対して出来る事と、出来ない事を明確にして行く必要があります。

相手の都合のいい人になるのではなく、相手と対等の関係を築くにはNOをしっかりと伝える事が出来るようになる必要があるのです。

③.否定的な思い込みを手放す

この人はこういう人だという否定的な思い込みを通して人を判断していると、ゴーレム効果が働いてしまいます。ゴーレム効果とは人が相手に対して「この人はこうだ」というネガティブなレッテルを張ってしまうと、相手がレッテル通りの行動を取る人になってしまう心理学的実験から名づけられた言葉です。

例えば、ある先生が風評である生徒の成績が低いと聞いた時に、その噂が音も葉もない噂であったとしても、信じてしまった場合、その生徒に対して成績が向上するはずのない生徒というレッテルを張ってしまうことで、その生徒に対しての期待値が低い状態が続いてしまい、結果としてその生徒は成績が下がってしまう事もあるのです。

このように否定的なレッテルを張って人と接すると、対等の関係を築くのは難しくなり、結果として対等のコミュニケーションをとる事は難しくなってしまいます。

ときおりでかまいませんので、「自分は目の前の相手にレッテルを張ってないか?」と自問自答する癖をつけて見て下さい。そうすることで、無意識にレッテルを張っていた場合、レッテルを張っているという事に気が付くことが出来ます。

そうすると、レッテルをはがして行く事が出来るのです。

4.自己受容体質を育む

コミュニケーション能力を上げる上で自己受容は必須項目です。あなたは自己受容についてどんなイメージを持っていますか?言葉どおり自分を受け入れる事と考えているかも知れませんね。

半分正解です。自分自身のいい部分も悪いと思っている部分も全部合わせて、そんな自分でもいいんだよと受け入れる事です。どんな自分でも評価・判断せずに受容出来てはじめて、人は他人をも受容出来るのです。

相手に心を開かなくてはコミュニケーションは成り立ちません。相手に心が開けてはじめて信頼関係が成り立ちます。自己受容が出来ていると相手と無理せず親しくなる事が出来るのです。

自己受容の方法としてもっとも一般的な方法があります。それは、心の中で自分を責めてしまった時。

  • なんてだめなんだ
  • どうしようもないな
  • こんなこともできないなんて

あなたもこんな風に自分を責めてしまう時っておそらくありますよね。

こういう時に、自分に向かって、

  • きずついてるんだね
  • つらいんだよね
  • かなしいんだよね

と自分の傷ついた気持ちを受け入れてあげる事。そうすると、傷ついた心は徐々に癒えて行きます。このように自分を受容する事を繰り返して行くと、心は逞しく育ち、自分をも他人をも受け入れる強い器が出来上がって行きます。

自己受容に関して詳しくは下記の関連記事をご覧ください。

自己受容とは何か?自己受容するために習慣化していただきたいたったひとつの方法

5.セルフイメージを高める

セルフイメージを高める事もコミュニケーション能力をアップさせるにはとても有効です。私たちは通常、自分がどのように見られているかという、セルフイメージはあまり意識しませんよね。でも、無意識ではセルフイメージ通りの自分でいるよう常に軌道修正しまくっています。

このセルフイメージが低いと、私たちはいくらコミュニケーションスキルを身に付けたとしても使いこなす事は難しいでしょう。穴のあくほど台本を読み込んだとしても、舞台経験がなければ、本番では緊張して実力が発揮できない役者のようになってしまいます。

そうならないためには自分はコミュニケーションが得意だといというようにセルフイメージを高める事が役立ちます。

セルフイメージの高め方は数多くありますが、コミュニケーションという点において最も効果の高いNLPのモデリングという手法を紹介させていただきますね。

モデリング

文字の通りこうなりたいという理想の人をモデルとする方法です。守破離で言えば守の部分ですね。

身近な人や良く知った芸能人を参考にするといいかも知れません。

私の場合はトーク番組などを参考にしました。参考にしたい人を観察し、イメージの中で自分と重ねて行きます。そして、観察後はシュミレーションを繰り返して行きます。

こういう場ならこう返すだろうなとか、ああいう場ならこんな対応だろうなとかを繰り返して行くわけです。

じょじょにその人のエッセンスが自分自身に浸透して来るようになります。そうなる事でスキルは当然ですが、同等に自身もついて来るのです。

自らのセルフイメージがモデリングをする事で高まって行くという事ですね。

Ⅲ.抑えておきたい話し方のポイント9選

この章ではコミュニケーション能力向上において必要最低限の話し方についてお伝えしていきます。

コミュニケーション能力向上においては聞き方を徹底的にマスターすることも重要ですが、必要最低限の話し方を理解することも同じく大切です。

そのため、話し方において最も大事なポイントに絞って説明させていただきます。

1.自分の話は2割に留める

コミュニケーション能力向上においては話をすることよりも、聞くことの方がはるかに重要だという事を先ほどの章ではお伝えさせていただきました。しかし、自分の話をまったくしないのでは、相手から信用を得ることは出来ません。その理由は、人は自己開示をした人に対して、心理学の返報性の法則にから自分も同程度の自己開示を返していくよう働きかけるからです。

自分のことを何ひとつ話をしてくれない人よりも、ある程度自分自身とはどのような人間かを伝えてくれる人の方が親しみがわくのはこのような心理が働くからです。そのため、自分の話も会話に入れることは必要です。

ただし、自己開示は相手と信頼関係を結ぶために行うものです。そのため、相手が不快になるほど、自分の話ばかりをしていては身も蓋もありません。マシンガントークで自分の話ばかりをする人がいますが、これでは相手の気持ちを踏みにじってしまいます。

相手の気持ちを置き去りにした話し方では当然、信頼関係は生まれません。では、どうすればよいのか?それは、自分自身の話は2割に留めると言う意識を持って会話をすることです。意識を持つということがポイントです。自分の話はしつつも、話過ぎないように注意するだけでも会話の質は高まります。

2.アイ・メッセージ

アイ・メッセージとは主語を私とした話し方です。日本語は英語と違い、主語を省略して話をすることが多いため、アイ・メッセージといってもニュアンスが伝わりにくいかもしれませんね。

簡単に説明すると、アイ・メッセージとは自分の気持ちを相手に伝えるメッセージです。それにたいして、ユア・メッセージとは相手の行為を評価するメッセージとなります。評価とは、相手に対して上から判断を下すことを指します。本人にその気がなくても、受け手からしてみたら上から目線で話をされているようでいい印象は抱かれません。

例えば、目上の人に対して、「(あなたは)よく頑張りましたね。」と言ったとしたらどうでしょう?おそらく不快感を生じられると思いませんか?それはこの発言がユア・メッセージだからです。

それに対し、「(私は)部長が頑張ってこられた姿を間近で見てきたので、この結果にとても感動しています」だったらどうでしょう?おそらく、自分の頑張りをわかってくれているんだという歓びが大きくなるでしょう。これがアイ・メッセージの力です。

同じ頑張りを認めている発言にも関わらず、ここまで受け取る気持ちに差が開いてしまうものなのです。

ユア・メッセージが相手の行為を上から評価することに対して、アイ・メッセージは相手の存在を認知する発言です。人は誰しも承認欲求を持っています。アイ・メッセージは人の承認欲求を満たす発言だからこそ、相手の気持ちをつかむのです。

だからこそ、コミュニケーション能力向上を図るなら、アイ・メッセージを主軸とした話し方をするべきだと言えます。なにも難しいことはありません。アイ・メッセージとは自分の気持ちを率直に伝えるだけの話し方だからです。意識をしていないとユア・メッセージ中心の発言になりがちですが、意識をして変えていくことで、すぐにアイ・メッセージを使いこなすことが出来てきます。

とっても強力なイライラを抑える3つの方程式

アイ・メッセージに関してより詳しくは上記の記事をご覧ください。

3.自己開示

相手との関係性を作る上で自己開示は率先して自分から行っていきたいポイントです。自己開示をすると、相手の自己開示を促す事につながります。この事を自己の相互開示といいます。

自己開示においての有名な実験を紹介させて頂きます。

アメリカのボストン空港で、数人の実験者が、ロビーに座っている客に筆跡鑑定の名目で自己紹介を書いてもらう事にしました。その際、実験者はそれぞれ、お客に記入してもらう答案用紙の上に、自分の事として模擬例文を記入しておいたと言います。その内容は以下の通です。

Aさん「私は、今、筆跡鑑定のためのサンプルを集めています。」

Bさん「私は友達が多いが、孤独を感じる事があります。」

Cさん「私は正直、性的悩みを抱えています。」

その結果、Cさんに依頼を受けた被験者は、AさんBさんに依頼を受けた人よりも赤裸々に自分の情報を書いたと言います。つまり、よりプライベートに突っ込んだ話を先にされると、自分もそれにつられてしまう傾向がある事が実験で証明されたのです。(1)

このように自己開示する事は相手の心に働きかける効果があるのです。コミュニケーションにおいて積極的に使っていきたいものですね。

4.ストーリーテリング

スタンフォード大学マインドフルネス教室にて著者のスティーヴン・マーフィ重松教授はストーリーテリングの効果についてこのように伝えています。

授業でのストーリーテリングの活用は、脳への影響を立証した研究が裏付けを与えている。物語を聞いている時には、その物語を聞き手自身の考えや体験に変えてしまう脳の部位が活性化する。聞いている者同士の間で同じような脳内活動が行われるだけでなく、ミラーリングと呼ばれる作用によって、話し手とも同じような脳内活動が行われるのである。

脳は感情に溢れた出来事を経験すると、ドーバミンを放出して、それをより簡単かつ鮮明に記憶出来るようにしている。事実を処理している時には、脳内のふたつの領域(ブローカ野とウェルニッケ野)が活性化しているが、上手に話が語られた時には、運動野、感覚野、前頭前野など他にも多くの領域を巻き込んでいる。

私自身がまずモデルとして自分の話を語って見せる。そのあと、無条件の肯定的な関心とともに価値判断を加えずに聞く姿勢を示す事で、学生たちが自分について話しやすくなるように配慮する。

すると、彼らも精神的に参ってしまった体験、プライドをなくした体験を熱心に語ってくれるようになる。私たちは、そうした非常に厳しい時期には誰もが謙虚になる。そして、自分は自分が思うほど、賢いわけでも強いわけではない事を知る。自分の人間らしさ、もろさ、誤りがちな事、ヴァルネラビリティ(弱さ)を理解する。大小さまざまな挫折に飲み込まれずになんとか乗り切った時には、挫折の体験から、自分に出来る事、出来ない事を学んでいる。(2)

自分自身の物語を聞き手に伝える事で、自分と利き手の間に共感が沸き起こります。そして自己の相互開示を促し、深いレベルでシンパシ-を築いて行きます。自らの深い話をするなかで人はより謙虚に等身大の自分と向かいあって行くのです。

5.受け答えは短く

相手の話を注意深く聞いていたつもりが、いつの間にか自分の意見をぺらぺらと話していたという経験はないでしょうか?

相手と信頼関係を構築するコミュニケーションの神髄は相手の話に焦点を合わせることです。

受け答えを短くすることを念頭に入れて、自分自身の話をしたくなっても心をとらわれないようにしていきましょう。

6.正論はNG

相手の意見に対して正論をぶつけてしまうことは、相手と信頼関係を構築するコミュニケーションとしては避けるべきポイントです。

相手と議論することで相手に焦点を合わせることが出来なくなってしまうためです。

相手に焦点を合わせることが出来ないと、自分の心の声が大きくなってしまい、相手の話を聴くことが出来なくなってしまうものです。

7.相手の感情を受け止める

相手の感情を受け止めることで、相手と同じ方向性を向いて話をすることが出来ます。

相手は感情を受け止めてもらうことでより安心して話をすることに集中していくことが出来るでしょう。

相手が話に集中できるということは、コミュニケーションが円滑にまわっている何よりの証拠です。

良い感情でも悪い感情でも相手にとっての感情を受け止めた聴き方をしていくことが何よりも大切です。

8.リラックスして聴く

相手の話を聴こうと意識を向けすぎるあまり、緊張してしまっては元も子もありません。話を聴くときは出来るだけリラックスした姿勢を心掛けてみて下さい。

リラックスすることで相手との距離感が縮まれば相手もリラックスできよりコミュニケーションが円滑にまわることでしょう。

9.なぜは使わない

コミュニケーション能力を向上するのであれば、「なぜ」は使わないように心掛けてください。

「なぜ」という質問は攻撃的質問となってしまうからです。「なぜ」を使うことで相手と対立する質問となってしまうのです。

「なぜ、失敗したのでしょうか?」など、言われた相手はいらっと来てしまいます。「なぜ」を「なに」に変えるだけでニュアンスが変わります。

「失敗したのは何が原因でしょうか?」など、「なぜ」を使う必要がある時は、「なに」に言い換えて使用してください。

Ⅳ.これだけは意識してほしい聞き方6つの事

コミュニケーション能力向上を果たすには聞き方を鍛えていく必要があります。とはいえ、聞き方は話し方と違い、意識を変えていくだけでも大幅に向上することが出来る能力です。この章では、聞き方に対する意識の変え方や、いくつかの簡単なテクニックについてお伝えさせていただきます。

1.傾聴

傾聴とはもともとカウンセリングの造語です。

意味は耳も心も身体も傾けて聴くことに焦点を合わせた聴き方となります。コミュニケーション能力を向上する上で傾聴の技術は欠かせません。

傾聴の技術は相手を理解するのに最強の技術といっていいでしょう。

相手からの理解を求めるのではなく、自分から相手を理解することで、自然と相手もこちらを理解する気持ちになってくるのです。

集中的傾聴

相手に全神経を向けた聴き方です。

集中的傾聴をしていないとコミュニケーション時、自分の心の声に気がとられてしまいます。この状態では相手の話を本当の意味で聴くことは出来ません。

相手の話に100%の神経を集中して初めて人の話を聴くことが出来るのです。

心の中で前へならえをして相手に指先を向けるイメージを持ち続けると自然と集中的傾聴が持続します。

集中的傾聴はこんな簡単なトレーニングでも向上することが出来る能力です。是非お試しください。

2.バックトラッキング

バックトラッキングとはNLPの技術です。NLPとは日本語では神経言語プログラミングと呼ばれています。コンピュータがプログラムで動くように、人を動かすプログラミングという意味合いです。そのNLPの技術の中でも比較的簡単であり、効果がとても高い技術がバックトラッキングとなります。

バックトラッキングとはおうむ返しのことです。相手の話をそのままおうむ返しするのです。人は自分と似た人に共感を持つ性質があります。バックトラッキングをすることで、話し相手は無意識のうちに自分と似た話し方をするあなたに親近感を抱くようになります。

ただし、注意をしていただきたいことは、バックトラッキングは無意識に働きかけるため、過度に使い相手の意識に残ってしまっては意味をなしません。というよりも、自分の真似をされているという不快感が生じてしまう可能性もあります。

そのため、バックトラッキングをする時は、要所要所で自然に取り入れることが大切です。そうすることで、コミュニケーション能力は劇的に向上してきます。

3.要約

要約とは言葉の通り相手の話を要約する方法です。 バックトラッキングは話をオウム返しするのに対し、要約は相手の話をしっかりと理解して自分の言葉で伝え返すため要約するほうが難易度は高まります。

相手の話がながすぎて相手が混乱してしまった時などに使います。「要するにこういうことでしょうか」などです。

しっかりと理解していることを相手に伝えることが出来るため、バックトラッキングよりも使用頻度を高めて使うことが出来ます。バックトラッキングと併用することで効果はより高まります。

4.ユア・クエスチョン

先ほどの章で説明したアイ・メッセージは話し方としてとても重要だとお伝えしました。また、ユア・メッセージは相手を上から評価してしまうメッセージのため使わないほうがいいとも書かせていただきました。しかし、聞き方としてのユア・クエスチョンはとても大切です。

ユア・クエスチョンとは相手がどのように感じているのか?思っているのか?というように、相手の気持ちにベクトルを合わせた聞き方です。例えば、「あの映画面白かったよね?」と聞かれるよりも、「(あなたは)あの映画をみてどう感じた?」という質問の方が話し相手は話が進みむはずです。

それは、話し相手の気持ちにベクトルを合わせているからです。自分の聞きたいことを聞くのではなく、相手の気持ちに寄り添って聞くことがユア・クエスチョンとなります。

エンパス対策-共感力が高くて疲れている心を守る鍛錬法3つ

上記の記事ではユアクエスチョンのより具体的な使い方を書かせていただきました。併せてご覧いただくことで相乗効果が期待出来る内容となっておりますので、ぜひご覧ください。  

5.トーク番組でお勉強

トーク番組は聞き方の勉強をする上でとても貴重な情報の宝庫です。特に長く続いているトーク番組ほど司会者の力量に安定感があるため、おすすめです。そして、トーク番組を見る上で、どのように司会者は耳を傾けているのか?ということに着目してみて下さい。

どのようなトーク番組でも司会者が一方的に話をしていくトーク番組などありません。司会者が巧みにゲストの話を引き出して行きます。この時に、傾聴や、バックトラッキング、ユアクエスチョンをどのように使いながら話を聞いているかに意識を向けてみて下さい。また、後程紹介する、ペーシングやリーディング、相槌の技術もふんだんに使っています。

司会者の話を聞く技術を観察することに意識を置いてテレビ番組を見ると、どのような司会者も話を聞く技術を意図的に使っていることがお分かり頂けるはずです。しかも、そのレパートリーはそれほど多くはありません。もちろん、司会者によってパターンや、癖はことなりますが、技術的な事は多くはないことにお気づきになるはずです。

コミュニケーション能力向上を果たすならトーク番組の聞き方を意識的に勉強することが大切です。

6.会話はマインドマップ

マインドマップ

相手から話を引き出して会話を成立させていくのはマインドマップを作る作業と変わりません。

マインドマップを分かりやすく説明すると、ひとつの事柄に対して放射状に情報をカテゴリー分けして付け加えていくツールです。会話も同じく相手から情報を引き出し、分類していく作業だからです。

例えば、趣味の話を聞く場合をイメージしてみて下さい。

どのような趣味なのか?どれくらいやっているのか?いつごろやっているのか?その趣味のいいところは?どういった仲間がいるのか?ほかにも趣味はあるのか?など、趣味に限定していてもいろいろと質問が出てくるはずです。

また、ほかにも趣味はあるのか?という質問をすることで、別の趣味を聞きだしていくことが出来ます。

趣味の項目をある程度聞いたら、今の仕事に関することや、価値観、休日の過ごし方などでも別のカテゴリーを同じように質問していけばいいだけです。そうすれば、質問事項は驚くほど少なくなることにお気づきになられるはずです。カテゴリーを分けることで、質問を何回でも使いまわすことが出来るようになるからです。

また、私の場合は、個人的に話を聞いた人に対してスマホのマインドマップ機能を利用してアウトプットしています。そうすることで、聞いた話が頭の中に定着され、いつでも引き出すことが可能となってくるからです。

スマホのマインドマップはとても使いやすく、見やすいのでおすすめです。

Ⅴ.ビジネスでノンバーバルコミュニケーションbest8

心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える影響がどのような要素で形成されるか測定しました。 その結果、話し手の印象を決めるのは、「言葉以外の非言語的な要素で93%の印象が決まってしまう」ということがわかりました。

視覚情報 (Visual) – 見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線 …55%

聴覚情報 (Vocal) – 声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ …38%

言語情報 (Verbal) – 話す言葉そのものの意味 …7%

実は、言語的な部分は1割にも満たない、7%しか相手に伝わらないのです。

上記のデータから、相手に与える影響の93%が非言語的な情報からもたらされるということがわかります。非言語からもたらされる情報をノンバーバルコミュニケーションと呼びます。

このことから、相手の話の内容以上に、相手のノンバーバルコミュニケーションに注意を向ける必要があることがわかります。また、当然、自分のノンバーバルコミュニケーションも相手に伝わっていることを意識すべきなのです。

この章では、自分や相手のノンバーバルコミュニケーションについてどのように意識をしていくかをお伝えさせていただきます。

1.約束を守る

約束や時間を守るというのは最低限のノンバーバルコミュニケーションだと言えます。いくら、話し方や聞き方を徹底的にマスターしていても、約束を守ることが出来ない人が信頼されることはありません。

2.明るく

気分を明るく持つことは大切です。気持ちが沈んでいる人はノンバーバルコミュニケーションを通してすぐに伝わってしまいます。人は身体と心が密接に関係しています。明るくすることが苦手な人は、意識的に肩を張り、笑顔でいるよう心掛けてみて下さい。身体の状態が変わるだけで心にも影響を与えます。

3.挨拶

挨拶はお腹に力を入れて大きな声で行うよう心掛けてみて下さい。自分から元気に挨拶をするだけでも相手の受け取る印象は高くなります。元気な挨拶をするだけで、相手にとっての印象管理が出来るのですからやってみて損になることはありません。

4.相手の目を見て話す

相手の目を見て話をすることは、ノンバーバルコミュニケーションにおいて欠かせません。また、コミュニケーション能力向上に当たり必要な要素だと言えます。とはいえ、目を見て話をすることが苦手な人もいます。その場合は、会話相手の鼻を見ることに意識を向けて下さい。それだけで、会話相手は目を見て話をしているのだという錯覚を持ちます。

5.笑顔を心掛ける

笑顔を心掛けることはノンバーバルコミュニケーションにおいて必要不可欠です。笑顔とは相手に対して、自分は敵意を持っていませんというシグナルになります。そして、相手を信頼していることを伝えることも出来ます。当然、TPOによって笑顔を使えない状況もありますが、笑顔を使って差し支えのないところでは意識的に笑顔をつくるよう心掛けてみて下さい。それだけでコミュニケーション能力向上の助けになります。

6.相手より状態をちょっと上げる

相手が楽しそうなら、相手より少しテンションを高めに、相手が辛そうなら相手よりも少しテンションを低めに聞くことで、相手の気持ちに共感を示すことが出来ます。相手のベクトルよりも少し高い状態に身を置くことで、相手はあなたにたいしてより親近感を抱くことが出来るのです。

7.相槌

相槌の技術もノンバーバルコミュニケーションには欠かせません。相槌を制することはコミュニケーション能力向上において必要不可欠です。

単純相槌

相手の話に合わせて行う普通の相槌です。

私たちが最もよく使う相槌と言えるでしょう。「へぇ」「ほぉ」「なるほど」「それで」「たしかに」など、例を上げればいくらでも出てくるでしょう。

話の節々で単純相槌を打つことで相手の話の滑潤油となる相槌です。相手は話を受け止めてもらっているという安心感を持ってきます。

相手の気持ちをくみ取った相槌

相手の感情に焦点を合わせた傾聴術です。

「それは楽しそうだね」「とても悲しかったことが伝わってくるよ」「それは怒りが込み上げてくるよね」などです。

相手は自分の話の核となる感情に焦点を合わせてもらったことで、とても共感を感じます。

人はなかなか自分の感情に共感してもらう機会がないのです。だからこそ、この聴き方は相手の心をつかむ聴き方と言えるでしょう。

相槌に関してより詳しく使いこなして行きたい方には下記の記事をおすすめします。よろしければご覧下さい。

5つの相槌バリエーションを駆使して会話を盛り上げる方法

8.ランチョンテクニック

飲食を通じて好感を高める手法を「ランチョン・テクニック」と言います。

『よくわかる心理学』にて「ランチョン・テクニック」についての心理実験の紹介がありましたので、お伝えさせて頂きます。

ビジネスの世界でも食事をしながら商談をまとめる事が多くなりました。飲食を通じて好感を高める手法は「ランチョン・テクニック」と呼ばれます。このテクニックの効果を証明した心理実験も多数あります。

例えば、いくつかのテーマを用意して話を進めて行きます。話の途中で食事を出し、食事をしながら話を聞いてもらいます。すべてのテーマについて話終わった後で、どの程度話の内容に納得してくれたかを調べると、明らかに食事中に聞いた話を受け入れる傾向が高くなっていました。

あるいは、同じ説得を聞くのに、軽食を食べながら聞いたグループと、何も食べずに聞いたグループとでは、同意率に差があったという実験結果もあります。(3)

食事がコミュニケーションの役に立ってくれるのですから使わない手はありませんよね。

Ⅵ.NLPを駆使した信頼関係の築き方5つ

ラポールとは信頼関係を築くことを指します。この章ではコミュニケーション相手とのラポールの築き方に焦点をあてて説明していきます。

ラポールは良好なコミュニケーションを行う上で最も重要な土台です。

ラポールが築けていないとどのようなコミュニケーションも意味を持ちません。だからこそ、ラポールの構築がコミュニケーションを築く上でとても重要な要素となってくるのです。

ただし、ラポールの築き方は難しいものではありません。まずはラポールの築き方を覚えていきましょう。

1.キャリブレーション

相手の非言語コミュニケーションの状態を察知することをさします。

視線や、表情、身体の動きやしぐさ、動作などの情報を意識して受け取ります。人は非言語コミュニケーションから93%の情報を受け取っています。

要は空気を読むということです。空気を読む力は向上することが出来るのです。

全体から受ける情報をキャッチしようと意識を向けることを心掛けるだけでこの技術は向上していきます。

2.バックトラッキング

バックトラッキングもNLPの技術です。相手の話の要点を繰り返す方法です。

ここでおさらいしてみましょう。

「明日の会議は出席したくないなー」

「明日の会議は出席したくないと思ってるんだー」

このように繰り返すことで、相手には自分の話をきちんと受け止めているという安心感が生まれラポールを築きやすくなります。

3.ミラーリング

相手の動作に合わせるように動くことです。

鏡のように動作することからミラーリングと名付けられた方法です。ミラーリングを行うことで相手との心理的距離がぐっと縮まります。

例えば相手が首を傾げたら同じく首をかしげるといった感じです。ラポールの基本技術となります。

4.ペーシング

相手のペースに合わせる方法です。相手の話し方や口調、声の大きさに合わせていくのです。

例えば、相手が早口ならこちらも早口に、相手の声が大きかったらこちらの声も意識的に大きくしていくといった感じです。

ミラーリング同様ラポールの基本技術です。

5.リーディング

ミラーリングとペーシングを行っていると、自然と話し相手との感情やしぐさ、ペースがリンクしてきます。

まるで意志が通い合っているような感覚に陥ります。

こうなると、相手が無意識に自分のペースに合わせてくるようになるのです。自分がリードして相手のペースを動かすという事からリーディングと名付けられた方法です。

この状態になるとラポールは完全に構築されています。

Ⅶ.コミュニケーション能力を飛躍的に向上させるコーチング6つの技術

この章ではコミュニケーション能力が向上するコーチング技術について簡単で効果の高い方法をまとめさせていただきます。

1.反映

相手の行為に焦点を合わせた技術です。自分から相手がどのように映っているかを言葉として表現します。

反映の一例

「なにかとても考え込んでるね。」

「風邪ひいて大変そうだね」

「顔がほころんでるよ」

「良い点とってうれしそうだね」

「プレゼンうまくいってよかったね」

2.認知

相手の人間性に焦点を合わせた技術です。

反映が相手のしたことに焦点を合わせるのに対し、認知は相手の内面にあるその人の人間性を表現します。

認知の一例

「とても充実してるのが伝わってくるよ」

「すごく心が傷ついて大変そうだね」

「心の底から楽しそうだね」

「やり終えた達成感がにじみ出てるよ」

「目指すものが出来てからとてもいきいきしてますね。」

認知のスキルの詳細は対人コミュニケーション最強のコーチング技術30選!をご覧ください。認知のスキルはコーチングの技術で最強です。その認知のスキルに関して徹底的に掘り下げて書かせていただきました。

3.比喩

相手の状況を例えとして表現します。

例えとして表現することで相手がぼんやり思い描いている話の輪郭がはっきりと認識されます。 輪郭がはっきりすることで相手は自分の話により深く入り込んでいくことが出来ます。

比喩の一例

「山頂を目指してるような感じだ」

「木を見て森を見ていない状態だね」

「しあわせのプールにつかっているような感じかな」

「檻に捉われている感じだよね」

「思い込みのロープで幾重にもわたり縛られてるように見えるよ」

4.励まし

相手が挑戦に尻込みしていたり、自身がない時に相手に刺激を与え前進してみようと考えてもらう技術です。

しかし、一般的に励ますだけでは相手にとってお世辞と捉えられてしまいがちです。

心から励まされていると感じてもらうには理由もセットで伝えることがポイントです。

励ましの一例

「君なら絶対できるよ。なぜなら、その能力が備わっていることを私は知っているから」

「大丈夫。自信を持って。だって、今まで一生懸命頑張ってきたじゃない」

「思い悩む必要はないよ。なぜなら、君はもう十分に成長してるんだから。あとは前進あるのみだよ」

5.浄化

相手の胸に詰まった感情を吐き出してもらう技術です。

吐き出すことによって、相手の感情のしこりを取り除き、気持ちをリセットしてもらいます。

浄化の一例

「すごく思い悩んでそうだね。なにか悩み事でもあったの?」

「なんだかとても悲しそうだね。どうしたの?」

「心ここにあらずって感じだね。なんか胸の内に引っかかってることでもあるのかな?」

6.過去質問・未来質問

過去質問・未来質問とは、その名のとおり時間軸への質問です。

「1年前に成功したプロジェクトはどうでした?」(過去質問)

「どのようなプランを計画されているのでしょうか?」(未来質問)などです。

これらの質問は過去も未来もポジティブな質問に限定して使ってください。

ネガティブなイメージを相手に与えてしまうと、築き上げたラポールが一気に崩れてしまう可能性があるからです。

7.限定質問・拡大質問

限定質問とは相手の返答が一言で終わってしまう質問です。

会話の切り口に使うことで次からの糸口になります。「今日は随分早い出社ですね?」「お疲れでしょうか?」

一方、拡大質問とは、話を広げる質問です。

ラポールが築けていれば拡大質問を促すことでよりコミュニケーションが深まります。「どのような方向性で行きましょうか?」「たとえばどんな感じでしょうか?」。

拡大質問は相手に労力を強いる質問です。とてもパワフルな質問ですが、ラポールが築けていない時は避けるようにしていきましょう。

ラポールがしっかりと築けていれば拡大質問は聞き方の中心技術となってくる質問です。相手の深層を理解するのにとても役立ちます。

まとめ

いかがでしたか?今回はコミュニケーション能力向上のための方法をお伝えさせていただきました。すべての事に当てはまるのですが、会話相手を中心とした技術となります。会話と言えば、自分の話をするという意識を持っている人が多いものです。しかし、多くの人が会話に求めているものは自分の話を真剣に聞いてもらうことです。

一生懸命、話をしたにも関わらず、相手から良く想われないのでは報われませんよね。だからこそ、会話相手が満足するコミュニケーションを身に付けることが大切なのです。コミュニケーション能力が向上できれば、相手を不愉快にさせてしまうようなことが激減します。

そして、人から求められる人材になることが出来るのです。当然、コミュニケーション能力向上によって、人脈も増えてくるでしょう。そうすることで、様々なチャンスや運に恵まれ有意義な人生を構築することが出来るようになります。

参考資料

(1)思いのままに人を操る心理学大全P25(2)スタンフォード大学マインドフルネス教室P70(3)よくわかる心理学P216

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    ABOUTこの記事をかいた人

    私は若い頃は、人に嫌われる事を避け続け、自分を押し殺してまで人に合わせて生きていました。
    でも、自分の価値観を押し殺すほど、自分の存在価値が分からなくなっていった時にコーチングに出会い、「自分らしく生きてもいいんだ」という許可を自分に出せるようになりました。
    現在は月間10万PVの自己実現ラボを運営しています。

    より詳しくはプロフィルをご覧下さい。



    □国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
    □米国CTI認定資格 Certified Professional Co-Active Coach(CPCC)
    □著書4冊