非暴力コミュニケーション(NVC)とは何か?人との対立が激減する4ステップのやり方

コミュニケーション能力
坪井一真
坪井一真

今回の記事は人と対立を生まないコミュニケーション非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication)略してNVCについてお伝えしていきます。

コミュニケーションってちょっとしたボタンの掛け違いが後々まで尾を引くことがありますよね。特にSNSやメールでの文面など行間が読みづらい媒体ほど人は創造力を働かせてしまうため結果的に対立してしまいやすい傾向にあります。

今回の非暴力コミュニケーションは徹底して対立する要素を排除したコミュニケーション術になります。ビジネスシーンはもちろん、親子間や友人同士でも使えるとても有効なコミュニケーション術になります。


Q
この記事で学べる内容はなんですか?
A

・非暴力コミュニケーションとは何か?
・非暴力コミュニケーションが機能する場面と機能しない場面
・非暴力コミュニケーションの使い方

を学べます。

Q
どんな人におすすめの記事ですか?
A

人と対立を招かずに自分の意見をしっかりと伝えたい方におすすめです。


この記事を書いた人

こんにちは、自己実現ラボの坪井一真です。私は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)資格を持つプロのコーチとしてビジネスパーソンやアスリートのコーチングに従事しています。

また、1日10時間の瞑想を10日間、誰とも話さずに行うヴィパッサナー瞑想を5回も経験し、個人的な瞑想時間は累計で4000時間以上

これらの経験から得た知識や洞察を基に、自己実現ラボではセルフアップデートをメインテーマに、読者がその日から変化できる内容をお届けしていきます。
□シードコミュニケーションズ株式会社代表
□国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
□米国CTI認定CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)

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非暴力コミュニケーション(NVC)とは?

あなたは人と何気なく会話していたり、メールをやりとりしているうちに知らないうちに相手の人と対立していて不快感を覚えた経験はないでしょうか?どちらも悪気がないにも関わらず次第に口論になり、挙句の果てにはエスカレートして行き修復がつかなくなる事態に陥った事もあるかも知れませんね。

それは、言葉というものが自分の意見を伝えるという所に特化して作られているため、対立が起きやすい構造になってしまっているからなのです。

自分の主張を相手に認めてもらえればいいですが、相手と主張がかみ合わない場合は自然と対立が起きてしまいます。勝つか負けるかの土俵でコミュニケーションを伝えるのであれば、衝突は避けられません。

この記事は相手と対立をしないで自らの主張を伝えて行くことの出来る非暴力コミュニケーションについてお伝えしてしいきます。

なんとも独特なネーミングですが、非暴力コミュニケーションを提唱している人がマハトマ・ガンジーのお孫さんなんですよね。
なので、ガンジーの象徴である非暴力をつけたのでしょう。

簡単にいうと非暴力コミュニケーション(NVC)とは平和的に対立が起きないコミュニケーション方法という事です。

1.非暴力コミュニケーション(NVC)とは何か?人との対立が激減する4ステップのやり方

非暴力コミュニケーションには4つの流れがあります。
バリエーションは多々ありますが、テンプレートとして覚えておいていただきたいのはこれから紹介する流れです。

  1. 観察(observation)
  2. 感情(feeling)
  3. 必要としている事(needs)
  4. 要求(repuest)

この4つの流れで人に話を伝えることで、あなたの要求を対立することなく相手に伝えていく事が出来ます。価値観や意見が交わらない人とでも対立することなく自らの主張を伝えられるようになったらあなたの生活はどのように変わると思われますか?

馬の合わない同僚と、嫌な上司と、何を考えているか分からない部下と、家族と、両親と、友人たちとのコミュニケーションにどのような変化をもたらすでしょう。きっと、あなたのいる場所は現状よりもはるかに自由度が高くなっていることだと思います。

1.観察(observation) 観察を評価・判断交えず伝える

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私達のコミュニケーションは相手に対しての評価と判断をごっちゃに混ぜて伝えてしまう事が大半です。

例えば、

  • 『あなたはいつも遅刻ばかりしている』
  • 『あなたは頼りがいがない』
  • 『あなたは思慮が浅い』etc

これらの言葉は評価と判断を混ぜている典型的な例です。
このように、評価と判断を交えてしまうと、人はレッテルを張られたように感じ、対象者に対して対立心が生まれてきます。

また、評価と判断を交えた方も相手に対しての視点が狭まり、相手を対等に扱う事は出来なくなります。極端に言うと、相手が自分より上だと思えばへりくだり、下だと思えば横柄な態度になってしまうような感じです。

これでは、会話を始める前から上下の意識が働き対立のコミュニケーションを取らざるを得なくなってしまうのが必然ですよね。一方、評価判断しないと言うことはただただ目に見えている事実だけを表しているので、対立しようがないのです。

  • 『あなたはこの1週間毎日寝坊している』
  • 『あなたは昨日頼んでおいた要件を忘れてすっぽかしてしまった』
  • 『あなたは社内で3人と浮気をしている』

主観をまじえない観察した事実を伝える事は、簡単にいうとただのデータをデータのまま伝えるという事です。データはデータでそれ以上でも以下でもありません。事実を事実として伝える事では、人の対立心に火を注ぐことはありません。

2.感情(feeling) 感情を伝える

観察を評価・判断交えずに伝えた後にようやく自らの感情を伝えて行きます。
例えば、先ほどの例、『あなたはこの1週間毎日寝坊している』で考えて見ましょう。

『あなたはこの1週間毎日寝坊している。繁忙期でみんなが忙しい状況の中、あなたの行動に対してがっかりしている。』

一方、同じ言葉を評価と判断をまじえ主観的な意見を相手に伝えたとしたらどうでしょう?

『あなたはいつも遅刻ばかりしている。繁忙期でみんな忙しい状況の中、なんでそんなに無神経に振舞えるの?どうして人の事を考えられないの?社会人としての常識が足りないんじゃないの。』

あなたはもし自分が伝えられる側だとしたらどちらが嫌ですか?

おそらく、後者でしょう。前者が事実を確認し、自らの感情を伝えているのに対し、後者は評価と判断をまじえ相手に主観的に意見を伝えていますよね。エネルギーが発信者の内側に向かっているのか、外側に向かっているのかで考えると分かりやすいかも知れません。

このように自らの感情を相手に伝えて行くメッセージを「アイ・メッセージ」と言います。英語で主語がIのメッセージという事ですね。私はこう感じているというメッセージです。それに対し、相手に意見を伝えるメッセージが「ユー・メッセージ」と言いYouを主語としたメッセージと言います。

相手と対立を起こさないで、自らの気持ちを伝えるには「アイ・メッセージ」がとても有効となります。「アイ・メッセージ」については下記の記事にて詳しくお伝えしておりますので併せてご覧ください。

3.必要としている事(needs) 求めているものを伝える

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1と2では観察や評価をまじえずに感情を伝える事で、相手と対立を生まず自らの気持ちを伝えて行く方法をお伝えさせていただきました。
3ではその上で、自らが相手に対して求めているものを伝えて行きます。

『あなたはこの1週間毎日寝坊している。繁忙期でみんなが忙しい状況の中、あなたの行動に対してがっかりしている。だから、明日からはきちんと遅刻しないで来てほしい。』

このように伝えられる事で、伝えられた本人は自らの内省を促し耳を傾けてくれるようになります。
これが感情の矛先を相手に向けて責め立てるように伝えていたらどうでしょう?

『あなたはいつも遅刻ばかりしている。繁忙期でみんな忙しい状況の中、なんでそんなに無神経に振舞えるの?どうして人の事を考えられないの?社会人としての常識が足りないんじゃないの。だから、明日からはきちんと遅刻しないで来てほしい。』

おそらく聞く耳なんて持てませんよね。
それよりも、感情をまくし立てる相手に対して対立心に火がつき、自らの感情の赴くままに起こり出してしまうかも知れません。

同じことを伝えるにしても、伝え方の筋道が変わるだけで大きな違いになってくるのです。

4.要求(repuest) 要求を伝える

最期に自分が伝えたかった要求を相手に伝えて行きます。

『あなたはこの1週間毎日寝坊している。繁忙期でみんなが忙しい状況の中、あなたの行動に対してがっかりしている。だから、明日からはきちんと遅刻しないで来てほしい。その為に、明日は7時に起きているという確認の電話を下さい。』

相手が要求を飲むか飲まないかは重要な事ではありません。
ここまでの一連の流れの中で自らの主張をしつつ、相手と対立をしないという事が重要なポイントです。

人は誰かに何かを言われたとしても変わる事は出来ません。
唯一変われるのは自ら気付き意識を改めた時だけです。
非暴力コミュニケーションでは相手に内省を促し気付きを与え、自らが変わるきっかけを対立することなく提供する事が出来て行きます。

人と対立することなく、人に気付きのきっかけを持ってもらえるという事は、無駄な争い事が減って行きますし、なによりも対人関係のストレスが減少してくる事でしょう。

2.非暴力コミュニケーションのメリット・デメリット

この章では非暴力コミュニケーションのメリットデメリットをお伝えしていきます。
非暴力コミュニケーションはとても使えるコミュニケーション術ではありますが万能なツールではありません。

非暴力コミュニケーションのメリット

非暴力コミュニケーションのメリットは相手と対立を起こさない事です。
コミュニケーションはたったひとつのボタンの掛け違いだけでも対立を引き起こしてしまう危険性があるものです。

特に家族関係や職場の人間関係など距離感が近い相手ほど「相手は分かってくれる」という認識があるため自分の伝えたい事を紐解き誤解なく伝えていく事は難しくなります。

そのため、このような身近で重要度の高い人間関係にこそ非暴力コミュニケーションは効果を発揮します。

非暴力コミュニケーションのデメリット

非暴力コミュニケーションのデメリットは相手に齟齬なくコミュニケーションを伝えるため会話がとても長くなってしまうことにあります。短時間で済むような要件を伝えるだけのコミュニケーションにおいてはまったくと言っていいほど使えません。

外食をするときの注文やタクシーにおいて道を伝える時には簡潔に伝える事が求められますよね。このような時に非暴力コミュニケーションを使って伝える事は会話がまどろっこしくなるだけで得策ではありません。

要するに非暴力コミュニケーションは要件を適切に伝える場においては意味をなさないという事です。
伝えたい内容を相手に誤解を招くことなく対立をあおらずにしっかりと伝える場においてのみ最強のコミュニケーションツールになるという事です。

コミュニケーション力全般を高めたい方には下記の記事がおすすめです。

3.非暴力コミュニケーションに必要な傾聴力と高め方

非暴力コミュニケーションは下記の4つのステップで構成されているという事をお伝えしてきました。

  1. 観察(observation)
  2. 感情(feeling)
  3. 必要としている事(needs)
  4. 要求(repuest)

この中でもコミュニケーションのプロとしてお伝えしたい事は1と2が非常に重要だという事です。
相手を評価判断を交えずに観察し、自分の感情をしっかりと理解し伝えるという事ははっきりいって難易度が高いです。

多くの人が非暴力コミュニケーションを身につけようと努力して4つのステップを覚えても使いこなせるようにならないのは1と2のハードルが高い上にどのようにこれらの能力を身に着けていいかが分からないことに起因するのででしょう。

1の観察と2の感情は自己実現ラボで重要視しているコミュニケーションの基盤ともいえる技術のためこの章ではこの2つの能力を伸ばす方法についてお伝えしていきますね。

観察(observation)に必要な傾聴力の磨き方

相手を評価判断交えずに観察するというのは簡単に出来る事ではありません。私たちプロの聞き手はこの観察力に磨きをかけるのにかなりの時間をかけました。僕の個人的な話ですが半年以上のトレーニングをしてようやく観察力を身に着けたほどです。

しかし、観察力の身につけ方なんてほとんど情報として出回っていませんよね。そこで今回は傾聴力を伸ばすためのトレーニング方法をお伝えしていきます。
文章で書くよりも動画でお伝えした方が分かりやすいため動画にて説明させて頂きますね。

観察力を高めるトレーニング方法集中的傾聴について説明しています。

感情(feeling)に必要な自分の感情に意識を向けるトレーニング

次に自分の感情に意識を向けるトレーニングをお伝えしていきます。自分の感情ほど言語化が難しいものはそうありません。自分の感情を言語化するにもトレーニングが必要なんです。下記の動画ではそんな自分の感情に耳を傾けるトレーニング方法を具体的にお伝えしています。

自分の感情に意識を向ける内的傾聴について説明しています。

傾聴力をより高める方法

非言語コミュニケーションを身に着けるにはその土台となる傾聴力を磨く必要があります。より傾聴力に磨きをかける方法は下記の記事にてお伝えしておりますのでご興味がある方はご覧ください。

非暴力コミュニケーション(NVC)とは何か?人との対立が激減する4ステップのやり方

潜在意識を駆使し理想の人生を引き寄せる方法
  1. 観察を評価・判断交えず伝える
  2. 感情を伝える
  3. 求めているものを伝える
  4. 要求を伝える

今回お伝えさせていただいたコミュニケーション術は非暴力コミュニケーションの基礎的な部分ですが、最も大切な部分でもあります。ただし、非暴力コミュニケーションを身に着けるには適切なトレーニングが必要です。そのトレーニング方法についてもあわせてお伝えさせて頂きました。

今回の記事を読みしっかりとトレーニングを積めば人と対立しない非暴力コミュニケーションを使いこなすことが出来るようになるでしょう。

人との対立にあなたが辟易としている状況にあるとしたら、この機会に非暴力コミュニケーションを会話の中に取り入れて見たらいかがでしょうか?

よりコミュニケーション能力を伸ばしたい方は下記のカテゴリから必要な記事をご参照下さい。

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