サーバントリーダーシップとは?人を惹きつける魅力的な特徴

サーバントリーダー コミュニケーション能力

自己実現ラボ
坪井一真です。

長らく日本の企業で使われてきたリーダーシップスタイルは大きく2分されてきました。
主に強制型リーダーシップと、ペースアップ型リーダーシップが日本企業では幅を占めていました。

強制型リーダーシップとは、「俺のいう事に何があっても従え」といったように、上の命令は絶対だといったような軍隊型のリーダーシップスタイルを指します。

一方、ペースアップ型リーダーシップとは、「売り上げ目標前年比200%UP」などというように、高すぎる目標を設定してしまうリーダーシップスタイルです。

このようなリーダーシップスタイルが企業文化として染みついている会社の多くは、社員の疲弊の度合いが深刻です。

あなたの会社でもこのようなリーダーシップスタイルを使っている上司はいませんか?
そのような上司の元で働いている社員は疲弊しきっていませんか?

上記2つのリーダーシップスタイルでは人を規則やルールに縛り付けることは出来ても、人本来がもつ、創造性や柔軟性、意欲や達成感は発揮されません。

まるで飼育小屋の動物のように与えられた状況に反応するだけの家畜に成り下がってしまうと言っても過言ではありません。

サーバントリーダーシップとは強制型リーダーシップや、ペースアップ型リーダーシップとは一線を画すリーダーシップ像です。

強制型リーダーシップや、ペースアップリーダーシップの前提にある考え方は、「部下は指示を出さなければ動かない無能な人材」という視点であるのに対し、サーバントリーダーシップでは「部下はもともと想像力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」と認識している所に違いがあります。


では、「サーバントリーダーシップとはなにか?」について次の章で詳しく見ていきましょう。

この記事を書いた人

こんにちは、自己実現ラボの坪井一真です。私は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)資格を持つプロのコーチとしてビジネスパーソンやアスリートのコーチングに従事しています。

また、1日10時間の瞑想を10日間、誰とも話さずに行うヴィパッサナー瞑想を5回も経験し、個人的な瞑想時間は累計で4000時間以上

これらの経験から得た知識や洞察を基に、自己実現ラボではセルフアップデートをメインテーマに、読者がその日から変化できる内容をお届けしていきます。
□シードコミュニケーションズ株式会社代表
□国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
□米国CTI認定CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)

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Ⅰ.サーバントリーダーシップとは

サーバントリーダーシップ

サーバント・リーダーであるかどうか、実行するのは難しいが判断するのに最も良いテストは 「奉仕されている人々は人間として成長しているか?」「奉仕されることで彼らはより健康になり、 賢く、自由で、自立した存在として自分自身もサーバントとなっているか?」そして「社会で最も特権のない人々に与える影響はどうか?恩恵を受けているか?これ以上恵まれないことになら ないだろうか」

ロバート・グリーンリーフ

サーバントリーダーシップとはアメリカの経済学者ロバート・グリーンリーフが1970年代に著書で提唱したリーダーシップ像です。

サーバントとは「奉仕者」という意味となります。サーバントリーダーシップとは奉仕をすることで、部下との信頼関係を築き、お互いの利益になる関係を構築していくスタイルを指します。

上司だけが利益を得たり、部下が何も出来ない存在だと烙印を押すことはせずに、ビジョンを示し、部下の可能性を信頼し、関わる全ての人たちにプラスの影響を与えることこそがサーバントリーダーシップの基本的なスタイルとなります。

Win-Winの関係性を築くことで仕事に対しての閉塞感や、与えられた業務をいやいやとこなすことから解放され、人は創造性豊かに独創的に自由に自らの働きに価値を見出していくのです。

次に、サーバントリーダーシップスタイルを構成する要素を4つに分類してそれぞれのスタイルを具体的に見ていきましょう。

下記の4つのリーダーシップスタイルを状況によって使い分けることがサーバントリーダーとして必要な能力です。

1.ビジョン型

ビジョン型リーダーシップとは、共通の夢や目標に向かって人々の心を動かしていくリーダーシップスタイルです。
人の脳は感情を敏感に感じやすい部位を持っています。
リーダーが本気でビジョンを示し向かっていく熱意や意欲があると、その感情が人々に広がり大きなエネルギーへと変容してくるのです。

2.コーチ型

コーチ型リーダーシップとは個人個人に対してコーチ的かかわりをしていくリーダーシップスタイルです。
コーチ的かかわりをすることで、ひとりひとりの心の在り方に沿った行動や目標が本人たちの中から自然と生まれ、やる気と希望に満ちていきます。
コーチ型の関わり方について詳しくは部下を育成するコーチングスキル!社内で使えるプロの技術!をご覧ください。

3.関係重視型

関係重視型リーダーシップとは個々の関係性を非常に重視したリーダーシップスタイルです。
ひとりひとりと心で強く結びつくことで、部下はリーダーのために力を発揮できることに喜びを感じます。
また、リーダーも部下のために力になれることを喜びに感じるのです。
この関係はアドラー心理学でいうところの共同体感覚で説明が出来ます。
詳しくは【アドラー心理学入門】人を必ず成功に導く21世紀の劇薬アドラー心理学とは?Ⅰ.共同体感覚をご覧ください。

4.民主型

民主型リーダーシップとはリーダーひとりで物事を決めていくのではなく、グループ全員参加型で民主的に今後の方針などを決めていくリーダーシップスタイルとなります。
民主型のリーダーシップを行うことで、個人個人が意欲的に提案することができる環境が整えられ、自らが積極的に参加して場を作っていくことが出来るため、熱意や意欲が高まっていきます。

サーバントリーダーにはノンバーバルコミュニケーションの能力も必要不可欠です。下記の記事ではノンバーバルコミュニケーションについて詳しくお伝えさせて頂きましたのでご興味のある方はご覧ください。

Ⅱ.サーバントリーダーの特徴

サーバントリーダー

サーバントリーダーになるには、ビジョン型、コーチ型、関係重視型、民主型のリーダーシップスタイルを個々の状況で柔軟に使いこなしていくことが必要です。
また、この章ではそれ以外にサーバントリーダーになるためにどのような能力や準備が必要かをお伝えしていきます。

1.サーバントリーダーシップに求められる資質

下記の項目はサーバントリーダーシップにおいて求められる資質です。
サーバントリーダーとしてどれも欠かせない資質となるため、ご一読下さい。

1.傾聴力
相手が望んでいることを聞きだすために、まずは話をしっかり聞き、どうすれば役に立てるかを考える。

2.共感
相手の立場に立って相手の気持ちを理解する

3.癒し
相手の心を癒す言葉をかけ、本来の力を取り戻させる

4.気づき
先入観や偏見にとらわれず、気付きを得ようとする。
また、部下に気付きを与えることができる

5.説得
相手とコンセンサスを得ながら納得を促すことができる

6.概念化
個人や組織のあるべき姿(ビジョン)を具体的に示し、伝えることができる

7.先見力、予見力
過去と知識に学び、現実をよく見て、次に起こり得ることを予測できる

8.執事役
自分が利益をえることよりも、相手に利益を与えることに喜びを感じる

9.人々の成長にかかわる
仲間の成長をもたらすことに強い関心をもつ。
それぞれのもつ価値や可能性に気づくことができる

10.コミュニティづくり
人々が大きく成長できる協働の場を創り出せる

テンプ ナレッジマガジン 「本当に強いリーダー」として求められるサーバント・リーダーシップより引用

2.サーバントリーダー力を上げるにはコーチをつけることが近道

サーバントリーダーシップを発揮する人材になるのにもっとも効果的な方法は個人コーチをつけていくことです。
コーチをつけることで、サーバントリーダーになるために、自分がどのように変革をしていかなくてはならないかが明確になっていきます。

また、コーチとのかかわりの中から、サーバントリーダーシップに必要なコーチ型の関わり方を自然と身に付けることができるようになります。
コーチ型リーダーシップを使うと職場での関係性が劇的に改善していきます。

コーチをつけることで、自分自身に本質的な変化が起こり、意識をしていなくても自然とサーバントリーダーシップを発揮していく人材となることが出来るのです。

Ⅲ.サーバントリーダーを企業内に浸透させるには

企業文化が強制型やペースアップ型の場合、サーバントリーダーを育てようとしてもうまく行かないことがあります。
理由として、企業の文化が新しいリーダーシップスタイルを取り入れようとしても、既存の勢力に抵抗されてしまうからです。
企業文化に新しいリーダーシップ像を取り入れていくには文化を考慮した正しいやり方が求められます。

1.企業内でサーバントリーダーを育てるには順序が必要

サーバントリーダーを育てるにはコーチを活用することが推奨されています。
ただし、組織の中でひとりだけサーバントリーダーになったとしても、企業文化が強制型やペースアップ型では企業全体を変えていくことは出来ません。
企業にサーバントリーダーシップを根付かせるには順序が必要となります。

その順序とは組織の中での序列の上位者から順にサーバントリーダーシップを根付かせていくということです。
組織のトップだけがサーバントリーダーになるだけではなく、トップダウンで徐々にサーバントリーダーシップを浸透させていくことが何よりも大切です。

そのために、まずは経営層にエグゼクティブコーチをつけ、サーバントリーダーシップを浸透させていくことが重要になります。
経営層が強制型やペースアップ型リーダーシップを手放していく選択を取っていくことで、企業文化は徐々にサーバント型に切り替わり始めていきます。

もし、経営層が頑なに変わらない場合は自らがリーダーとなっている部署やチームに対してサーバントリーダーシップを広めていくことです。
企業文化全体を変えるという事は経営層でない限り難しいことですが、自らの部署やチームであればすぐにでも変えていくことは出来ます。

自らがサーバントリーダーシップを発揮していくことでサーバントリーダーシップはおのずと部署やチームのメンバーにも浸透していく性質を持っています。

Ⅳ.サーバントリーダーをコミュニティ内で浸透させるには

企業内でサーバントリーダーを浸透させるには、経営層から変わっていく必要があるということを前章ではお伝えさせていただきました。
この章では企業文化が根強い企業内ではなく、所属するコミュニティに浸透させるにはどのようにしたらいいかについてお話させていただきます。

結論から言うと、あなたがサーバントリーダーシップを発揮してコミュニティに積極的にかかわることです。
サーバントリーダーシップとは周囲の感情に火を灯すリーダーシップ像です。
ようは、あなたがサーバントリーダーシップを発揮することで、周囲にも自然とサーバントリーダーシップが波及していくのです。

1.人生の目的を作る

サーバントリーダーシップを発揮する時にもうひとつ重要なことがあります。
それは自分自身の人生の目的を作るということです。
人生の目的の作り方については下記の記事をご覧ください。

自分自身が心から望んでいる目的に沿って力強く動く時、人は自分自身の能力をフルに発揮できますし、また、人を惹きつける魅力も最大限になっていくものです。
だからこそ、自分自身の人生の目的を作り上げ、自らの心が響く行動を行うことこそがサーバントリーダーシップを発揮するために大切な要素だと言えます。

ビジョン型のリーダーシップを発揮するには自分自身のビジョンが明確であるほど周囲に与えるインパクトが大きくなっていきます。
だからこそ、人生の目的を決めていくことが重要になってくるのです。

まとめ サーバントリーダーシップとは?人を惹きつける魅力的な特徴

日本で使われているリーダーシップ像は強制型とペースアップ型のリーダーシップが高いことをはじめにお伝えさせていただきました。
このようなリーダーシップ像では社員は疲弊し、自らの能力に限界を感じ、心に蓋を閉ざしてしまいます。

サーバントリーダーシップとはビジョン型、コーチ型、関係重視型、民主型のアプローチがあり、リーダーシップを発揮しながらも相手に奉仕をすることが目指すべき所です。
人を機会や駒としてではなく、ひとりの人間としてきちんと接することでお互いの信頼関係を強固にしていくのです。

そうすることで、リーダーが目指すビジョンを、リーダーと同じ強い気持ちをもって共有してもらうことが出来てきます。
リーダーの目指す方向に一丸となって取り組むことが出来るのです。
サーバントリーダーシップをリーダーが発揮することで、リーダーにとっても仲間にとってもWin-Winの関係が築ける素晴らしい場にすることが出来るのです。

下のリンク記事ではサーバントリーダーシップを発揮するのに重要な要素であるコミュニケーション能力を向上させるために重要な記事をまとめさせて頂きました。ご興味のある方はあわせてご覧ください。

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参考文献

EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数の活かし方」 ダニエル・ゴールマン リチャード・ボヤツィス アニー・マッキー

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