私はコーチとしてクライアントの可能性の枠を広げていくサポートをしています。その経験から言えることなのですが、本来、人は誰しもRPGでいう所の勇者です。いくらでもレベルアップできる存在なんです。
どんなに可能性のある勇者でも、自分はレベル1だから魔王を倒すなんて無理だと引きこもってしまったら物語は進みませんよね。勇者は変化を恐れず行動をして現状を変えていく力があるからこそその手に希望という名の光をつかみ取っていけるのです。
人は本来誰しもが勇者なのですが、多くの人は変化を恐れて現状を変える行動に移せないため、現状維持を余儀なくされています。その現状維持に人々をとらえ続けているものがコンフォートゾーンなのです。
コンフォートゾーンとは人がもっとも居心地のいいと感じる快適領域のことを指します。そして、人がもっとも居心地がいいと無意識的に感じる領域こそが現状維持なのです。
たとえ、今がどんなに苦しい状況だとしても、潜在意識化では不確定要素の高い変化を受け入れるよりも、現状維持を好んでしまうという性質をもっています。
よって今の生活に不満を抱えつつも、現状維持に甘んじてしまうのはコンフォートゾーンの影響によるものなのです。
今回の記事では前半は第1章では『コンフォートゾーンとは何か?』についてお伝えさせていただきます。第2章では『コンフォートゾーンを簡単に乗り越えていくための方法』についてお伝えさせていたたきますね。Ⅰ.コンフォートゾーンとは何か?
コンフォートゾーンの働きとは人が変化を避けるために重要な役割を果たしています。
日進月歩の今の時代変化を恐れていては衰退する一方ですが、人間の本能的には変化に対して恐怖がDNAとして受け継がれているため、変化を避けるための機能が受け継がれてしまっているのです。それがコンフォートゾーンなのです。600万年前を想像してください。あなたはサバンナで仲間と狩りをしているところです。順調に獲物を追い込んで行きます。しかし、ふとしたことからあなたは仲間とはぐれてしまいました。サバンナの荒野に、あなたは一人ぼっちに。先ほどまで捕食者だったにも関わらず、一転狙われる側に。この時に感じる恐怖心こそがサボタージュ(不協和音)と呼ばれています。
人間は誰しも快適に過ごせる領域を持っています。先ほどの例えで言えば仲間と狩りをしている最中は快適に過ごせる領域(コンフォートゾーン)にいたという事ですね。しかし、このコンフォートゾーンから外れてしまうとサボタージュが出てきて恐怖心に支配されてしまいます。
人の文明はたかだか数千年ですが、その前の何百万年もの長い期間を狩るか狩られるかで過ごしていました。私たちのDNAにはいまだに太古の記憶が残っているのだと言えます。そのため、私たちがコンフォートゾーンから離れてしまうと、DNAは命の危機だというシグナルを発し続けてしまうのです。
例えば、人前で話をすることが出来ないという思い込みを持っている人で考えて見ましょう。この人が人前で話をしなければならなくなってしまった時の心の状態はまさしく命の危機にさらされている恐怖と変わりがありません。
人前で話をしないことが快適だというコンフォートゾーンから無理やり人前で話をしなくてはならない状態に引っ張り出されたのですから、恐怖心で震えてしまうのも無理はありません。
このように、たちは自分のコンフォートゾーンから出てしまうと恐怖心に支配されてしまうように本能的に出来ているのです。現状から変化をさせないために・・・
コンフォートゾーンにとどまり続けると?
人は本能的にコンフォートゾーンに留まろうとしてしまう生き物です。これまでの時代はいい大学に入って、いい就職先を見つけ、老後は年金生活というようにある意味人生のレールが決まっていましたよね。だから、コンフォートゾーンから脱け出さなくても勝手にレールの上をすすでくれました。
しかし、たちが直面している現代は今までの時代とまったくといっていいほど変わってしまいました。終身雇用は崩れ、年金制度は崩壊し、人口減少も歯止めがかからない現在の状況では、コンフォートゾーンに居続けることは、ある意味危険なことでもあるのです。
こんな話があります。カエルを水にいれた状態でゆっくりとお湯に変えていっても変えるはまったく気が付かないそうです。そして、いつの間にかゆだってしまい気が付かないうちに天に召されてしまうのです。
飛べばすむだけの話なのに、ぬるま湯が気持ちいいから浸っている間に死を迎えているのですからやるせないですよね。私たちのコンフォートゾーンもこのカエルのぬるま湯のように気づかないうちに私たちの身体を蝕み続けてしまうのです。
コンフォートゾーンを抜け出し成功をするにはどうしたらいいか?
ここまでを振り返ると成功をするには今までの思い込みを破壊し、コンフォートゾーンから脱け出し前に進むことが必要だと言うことですね。しかし、今まで築き上げてきた思い込みを破壊し、太古の昔から身を守るために働いてきたコンフォートゾーンを脱け出すのは簡単ではありません。
だからこそ、抜け出すための体系的な技術を知る必要がなのです。努力や粘り強さで乗り越えようとしても限界があります。乗り越えるために技術を駆使し、簡単に乗り越えていければ最もいいですよね。
次章からはコンフォートゾーンを簡単に乗り越える方法についてお伝えさせていただきますね。
Ⅱ.コンフォートゾーンから抜け出すための2ステップ
この章ではコンフォートゾーンを体系的に簡単に抜け出していくための2ステップについてお伝えさせていただきますね。
- 人生の目的を決める
- 人生のビジョンを描く
この2つのステップをしっかりと覚えていくだけで、あなたは簡単にコンフォートゾーンを乗り越えて、どんどんと変化をしていく事が出来るようになっていくのです。
それでは、それぞれのステップについて具体的にお伝えさせていただきますね。
コンフォートゾーンから抜け出す方法1.人生の目的を決める
人生の目的とはあなたが心の底から望むあなたの人生の設計図です。会社で出世するとか、給料を上げるといった類のものではありません。
あなたがこれを成し遂げるために生まれてきたのだと心から強く感じ取れるものにする必要があります。この人生の目的はどんなに大きなことでも構いません。むしろ大きければ大きいほどいいのです。
人生の目的はあなたの潜在意識と直結しています。人生の目的を作ることで、あなたの中に秘めていた志や大義という情熱の源泉に命が宿ります。人生の目的とは簡単にいうとあなた独自のミッションを作成していく事なのです。これを持つことで、あなたはまるで幕末の志士のように自分の使命に命をかけることが出来るほどのエネルギーを手に入れることが出来るのです。コンフォートゾーンを突破するのにこれほど強力な武器はありません。
ただし、そうはいってもなかなか壮大な目的を決めるのは難しいかもしれませんよね。
人生の目的を簡単につくれる3つのツール
ここでは人生の目的を決めるために役立つツールと使い方を紹介させていただきますね。
①人生の輪
人生の輪は自分自身の価値観を見つめなおすうえでとても役立つツールです。
らプロのコーチが行っているコーチングにおいても人生の輪を多用しています。その理由はその人の無意識の価値観に直結しているものがこのツールを通して浮かび上がってくるからです。
では、使い方について簡単にご説明させていただきますね。まずは、上記の人生の輪の画像を印刷するか、ノートに書きだすかしてください。
その後、それぞれ現状を0~10段階で手書きで書き出してみて下さい。凸凹した輪になることもあれば、均等な輪になることもあるでしょう。
上記のように書きだすことが出来たら終了です。人生の輪のおかげで現状のあなたの人生を客観的に見つめなおすことが出来ます。
点数が低い項目ほどあなたの満足度は低いため、あなたの価値観につながる欲求が眠っている可能性が大きくなります。
②魔法の杖テクニック
では、コーチングで使う次に魔法の杖テクニックを使っていきますね。ここからの質問をしっかりと考えてみて下さい。
あなたは振るだけでなんでも願いの叶う魔法の杖を持っています。これを振ると、人生の輪のひとつの領域に対して3つだけ何でも願いがかないます。どのような願いを叶えたいですか?
それぞれの人生の輪の項目に魔法の杖を振って出てくる答えをノートかメモに記入してみて下さい。
ここで書かれた内容があなたの願っている価値観になってきます。
この価値観があなたの人生の目的を作るための素材となってくるのでじっくりとご自身の価値観を見出してみて下さいね。
人生の輪を作るのも、魔法の杖テクニックを使うのも、あなたの価値観をより鮮明にしていくためです。価値観が鮮明になるほどあなたの人生の目的の素材がそろってくるのです。
③人生の目的の宣言文を作り上げる
このために自分自身は生まれてきたのだと思えてくる人生の目的の宣言文を作り上げることが大切です。自分にとって心が響く表現にしてみて下さい。
人生の目的の宣言文は『私は人々に○○する××です。』となります。○○には行動を、××には比喩を入れることがポイントです。
人生の輪と魔法の杖テクニックで導き出した価値観の中で自分の心が最も響くことは何か?ということを考え、人生の目的の宣言文を作り上げてみて下さい。
人生の目的の宣言文はいくらでも更新可能です。この人生も目的を自分の核とすることで、どのような状況下でも自分を支え続けてくれるとても強力な人生の柱となることでしょう。
人生の目的については、下記の記事をご参照下さい。
コンフォートゾーンから抜け出す方法2.人生のビジョンを描く
人生の目的を決めたら次は人生のビジョンを描いていきます。
まずは人生のビジョンを描くことがなぜ大切なのかについてをお伝えさせていただきますね。潜在意識は現実とイメージの区別がつきません。よりリアリティの高い方を潜在意識が受け入れるのです。
ビジョンを明確にすることで、潜在意識がビジョンを受け入れ始めるとコンフォートゾーンが変わります。たとえば、人生の目的を達成しているビジョンが明確に思い浮かんでいる状態であれば、目的を達成している未来の自分に合わせたコンフォートゾーンになるわけです。ということは、現状のコンフォートゾーンが消えてしまうというわけです。コンフォートゾーンから外れた状態はとても居心地が悪い状態であるため、人はコンフォートゾーンに戻るように動き始めます。よって、目的が達成している未来の自分のコンフォートゾーンに向けて潜在意識は力強く歩み始めるのです。
コンフォートゾーンを移動させるだけで、人はコンフォートゾーンに戻るために最大限の力を発揮します。このようにビジョンを描くことは潜在意識を効率的に扱うためにとても大切な行為なのです。
①アファメーション
目標を紙に書き出す行為をアファメーションと言います。アファメーションを行うことで目的がより具現化されて潜在意識に反映されます。よって、潜在意識の臨場感を上げて行くことに貢献していきます。
アファメーションは具体的な日付を書いていきます。ただし、人生の目的のような壮大な目的だと具体的な日付と言うのはなかなか出てきませんよね。
そのため、アファメーションでは人生の目的に進むために、『今後なにを達成していくか』ということに意識を置いて書いていきます。
本田圭佑やイチローも実践している夢ノートの作り方という記事では具体的なアファメーションのやり方について書かせていただきました。ぜひご参考いただければと思います。
②ビジュアライゼーション
ビジュアライゼーションとは潜在意識により臨場感を植え付けるために、イメージの力を駆使していくことを指します。イメージを鮮明に思い浮かべるほどビジュアライゼーションの効果は高まっていきます。
この手法は潜在意識にダイレクトにアクセスしていく手法のためコンフォートゾーンを乗り越えるためにとても効果的です。
ご興味のある方は下記の記事をご参考ください。
まとめ コンフォートゾーンとは何か?コンフォートゾーンから抜け出すための2ステップ
いかがでしたか?今回はコンフォートゾーンを抜け出し、成功を収めるにはどのようにしたらいいかについてお伝えさせていただきました。
コンフォートゾーンを一気に突破する行動は誰にでも出来ることではありません。ですから、体系立てて徐々に変化をさせていくやり方が最も効率的で簡単に、しかも強力に働くのです。
あなたもこの記事を機にコンフォートゾーンを書き換えてみませんか?そうするだけで、あなたの潜在意識は勝手に成功への道を歩みだすことでしょう。
参考文献
「言葉」があなたの人生を決める 苫米地英人 フォレスト出版
ゴール ブライアン・トレーシー PHP
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