私はプロのコーチとして、コーチングの技術をより伸ばしていくために、去年の9月より本格的にマインドフルネスを行っています。今では朝と晩に1時間づつの瞑想を毎日行っているほどです。
マインドフルネスとは端的に言えば、今の自分の状態に気づく習慣を持つ事です。多くの人は過去や未来の事ばかりに思考が囚われ、今というかけがえのない時を、まるで暇つぶしにテレビを見ているかのように無駄に過ごしてしまいます。
マインドフルネスを習慣化することで、今という時に意識を保ち続ける事が出来るようになってくるのです。そうすることで、過去や未来に囚われては一喜一憂していたせわしない思考を休める事が出来るんですよね。
そして、心が穏やかになり、物事にとらわれ自らを苦しめるストレスから解放されて行くといった感じです。
何故、コーチングの技術を伸ばすためにマインドフルネスが必要なのか?それは、コーチングではクライアントの今に焦点をあてて話を聞くことが最も相手の話を引き出せるからです。コーチング中にコーチが過去や未来の事ばかり考えていては、クライアントの話を真剣に聞くなんていうことは出来ませんしね。
よって、私は今かなり本格的にマインドフルネスに打ち込んでいます。
そんな私がおすすめのマインドフルネス関係の本を今日は紹介させて頂きたいなと思っています。どれも、おすすめの内容です。
Ⅰ.はじめよう。瞑想:15分で出来る心と頭のストレッチ
私にとってこの本は初めて手に取ったマインドフルネス関連の書籍でした。それまで、瞑想には興味があったのですが、目をつぶって何も考えずに何十分も過ごすなんていう事は出来ないと、自分自身で思い込んでいたんですよね。
でも、やっぱり瞑想の効果や方法が知りたいという気持ちが抑えられない時にアマゾンで瞑想関連の本を探して見つけた本です。アマゾンベストセラー1位ということ、また、レビューの数が多く評価も高かったことが判断材料になり即座に購入を決定した記憶があります。
この本には瞑想の具体的なやり方が書いてあり、しかも簡単に実行出来る内容だったので、当時の私には重宝しました。また、1日15分の瞑想だったので対して苦もありませんでした。特に瞑想の座り方は今でも私のスタンダードな座り方になっています。
また、この本には瞑想の効果がしっかりと書いてあり、「瞑想をやるとこんな精神状態になれるんだー」とわくわくした事を覚えていますね。
瞑想の効果
- 悩みが減る
- ストレスに強くなる
- 優しくなる
- 嬉しくなる
- 良く笑う朗らかな性格になる
- クヨクヨしなくなる
- イライラしなくなる
- 健康になる
- 熟睡できる
はじめよう。瞑想:15分で出来る心と頭のストレッチより
私の現在の瞑想方法とは違いますが、瞑想の効果効能はまさにその通りだなと実感できています。瞑想を行う事で今の自分の状態に気づく事が出来るようになった事で、本当に生きるのが楽になって来ています。
瞑想をこれから始めてみたいという方にはおすすめの1冊です。
Ⅱ.スタンフォード大学マインドフルネス教室
7日間無料メールコーチングでメルマガを執筆してくれている私のコーチ仲間チナ・マーフィ重松コーチの旦那さんである、スタンフォード大学教授のスティーブン・マーフィ重松教授が書いた本です。
スティーブ教授はスタンフォード大学の心理学者であり、現在ではマインドフルネス関連の第一人者として世界中でご活躍されています。
この書籍に関しては下記のリンクに書評を書かせて頂きましたのでより詳しく知りたい方はご確認下さい。
私がこの本から学んだ最も大切な事は自分自身の弱さをしっかりと受け入れるという事です。人は弱さを受け入れて初めて強くなれるという言葉がとても心に響いています。
スタンフォード大学の学生と接していると、エリートでいなければいけないとか、人に弱みを見せてはいけないという固定概念に縛られて疲弊しきっている学生がことの他多いそうです。
小さいころからエリートとして育てられてきた彼らは、自分の弱さを認める事は自らのアイデンティティの崩壊と考えてしまう傾向が強いそうです。でも、本当の強さと言うのは今の自分の弱さも含め、受け入れられるようになって初めて身につくのだという事を教授は授業を通して伝えています。
弱さも含め今の自分の状態に気づくというマインドフルな体験を通して人は成長をして行くという事ですね。
マインドフルネスの本質を知りたい方には本当におすすめの1冊です。
Ⅲ.マインドフル・ワーク:「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える
マインドフル・ワーク:「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える
マインドフルネスが脳にどのように影響を及ぼして行くんだろう?という科学的なデータの裏付けを知りたいという想いから本書を手に入れました。
この本はグーグルやフェイスブックなど海外の企業がマインドフルネスを取り入れどのように効果を上げているかの事例なども幅広く取り扱っています。
瞑想の持つ効果は個人だけではなく、企業にも多大な影響を与えているのだなと言う事がとても良く分かりました。
著者の方も私と同じく瞑想の実体験者でヴィパッサナー瞑想のリトリートに参加している所なども好感が持てました。
そして、著者の方も瞑想を通して大きな変化を体験しているという所も自分自身の経験と照らし合わせ共感できました。
まだ、日本ではマインドフルネスを企業として取り入れている所はそうはありませんが、この本を読んだことで、これからの日本企業の多くもマインドフルネスを取り入れて行くであろうことに確信が持てました。
私自身、人生の目的として日本の企業にマインドフルネスを広めていき、イノベーションで世界をけん引する国にして行きたいという想いがあるので、とても参考になりました。
文章もおもしろく、分かりやすくて面白かったです。
Ⅳ.四つの約束
- 正しい言葉を使うこと
- 何事も個人的に受け取らないこと
- 思い込みをしないこと
- 常にベストを尽くすこと
この四つの約束は上記のことを意識して過ごして行くことだと著者は伝えています。この約束は全てマインドフルネスに結びついています。
自分や他人を卑下し心の中で蔑む言葉を繰り返すことも、他人の行動や言動を個人的に受け取って自信を無くしたり、凹んだりすることも、思い込みをして不安に囚われることも、全ては過去や未来ばかりを意識し今に心がない状態です。
ベストを尽くし、マインドフルな状態に意識を保つことで初めて人は心から豊かになれるといったことが書かれています。
ちなみに私は去年から今年にかけて参加していたCTIのリーダーシッププログラムでの課題図書でした。
はっきりいうと、日本語訳がこれでもかと分かりにくいです。これには本当に苦労しました。だから、分からない表現はとっても多かったですし、何を言っているのかまったく伝わらない部分もひとつやふたつではありませんでした。
けれども、この本が根本的に伝えたい四つの約束を日常に活かすよう意識することは私の日常に大きく役立ちました。なぜなら、この本がマインドフルネスの本だったからです。ああ。この本が言いたいことは物事や状況に囚われたり、執着したりせずに、今ここの瞬間を感じる素晴らしさを説いているんだなと理解出来たからです。
人を選ぶ本ですが、この本のエッセンスは日常に必ず役に立つ素晴らしい内容だと思っています。
Ⅴ.ニューアース
この本もCTIのリーダーシッププログラムでの課題図書でした。CTIのリーダーシップでは自らの個性や強みを100%表現することがリーダーの条件とあります。自らの個性や強みを100%表現するには今この瞬間に気付くマインドフルネスの考えが根底にあります。
その上で、このニューアースは私の中でとても学びが深い本でした。
はっきりといってこの本は難しいです。四つの約束は日本語訳の問題でしたが、この本は概念そのものがとても難しく分かりにくいです。しかも、ページ数も相当ありますし、本好きでないと読めないのではないか?とすら思っています。
エゴとかペインボディーとか難しい単語も多く出て来る上、スピリチュアル的な部分もありました。本当に読む人を選ぶ本だと思います。
しかし、私はこの本は何度も見返すほどはまりましたし、噛めば噛むほど味が出るスルメのような本だと思っています。最初呼んだときは何をいっているのかちんぷんかんぷんでしたが、マインドフルネスを知るほどにこの本の本質が分かるようになって来ました。
この本の素晴らしい部分はいくつもあるのですが、その中でもエゴに関してがとても秀逸でした。
人の思考は壊れたラジオのように絶えずノイズが流れ続けています。あなたも数分目をつぶるだけで体感できるでしょう。
- 今日の夕飯は何だろう?
- 見たいテレビあったっけ?
- 明日って何時に起きなければいけないんだろう?
次から次に脈絡もなく思考が垂れ流されているのが目をつぶることで鮮明にご理解いただけると思います。
で、この本ではこのような思考を本当の自分と同一視してしまう、もっと簡単にいうと思考に憑りつかれてしまう状態をエゴと呼んでいます。
エゴは思い込みや偏見で人を見たり、何事も自分事に捉えたりと、自らを傷つけることで増大していくのだそうです。自らが不幸になるばなるほどエゴは大きく肥え太って行くということですね。
この本では本当の自分とは今の状態に気づいているマインドフルな状態を指しています。マインドフルな状態になると、思考は過去や未来に囚われ不幸を増殖することが出来なくなってしまうということです。
よって、マインドフルになるほどエゴは小さくなり、消滅して行くといったことが書かれていました。
おそらく、ちんぷんかんぷんだという方は多いでしょうね。私も初めて読んだときは宗教本か?と思ったほど胡散臭く感じましたから。
でも、マインドフルネスを実行して行くにつれ不思議とこの本の良さが分かって来るので不思議なものです。今では人生の中でも上位に入るほど学びがあった本になりました。
個人的にはおすすめなのですが、本が本当に好きだという方のみにおすすめしています。
Ⅵ.さとりを開くと人生はシンプルに楽になる
この本もCTIのリーダーシッププログラムでの課題図書でした。この本もニューアースと著書は同じなのですが、翻訳者が素晴らしいのかとても分かりやすく読後感も最高です。
私の人生の中でもトップクラスにおすすめの本です。
内容はと言うと、ニューアースが自己の内面に起こる出来事とその解決策に焦点をあてていたのに対し、この本ではただひとつ、いかにマインドフルネスの状況を保ち続けるか?に焦点をあてていました。
しかも、マインドフルネスになるには難しいことを行う必要はなく、呼吸に意識を向けるだけでいいんだよというシンプルさ。そして、呼吸に意識を向け、マインドフルネスになることの重要性や意義。また、いかにマインドフルネスになることが素晴らしい体験なのかをここぞとばかりに分かりやすく書いてくれています。
私は個人的にニューアースを読んだ後にこれを読むと、全てのピースがつながり素晴らしい学びを得られると感じています。しかし、ニューアースは難解な本ですし、この本だけでも素晴らしい本なので、この本だけ読まれるのもいいと思います。
マインドフルネスの本としてはすっごく分かりやすく楽しい本になっていますので、とってもおすすめの一冊です。
Ⅶ.マネーゲームから脱出する方法
こちらは私のコーチから紹介してもらった本です。そして、素晴らしい内容だったので、周りのコーチ達にも紹介したらとっても評価が高かったというお勧め本です。
私たちが提供しているコーチングにプロセスコーチングと言う手法があります。それは押さえつけていたり、見ないようにしている感情をあえて見て行くというコーチングです。
感情には本来いい感情、悪い感情などというものはありません。それは私たちが感情に対して張っているレッテルがそう見せているだけです。感情はただ単に力強いエネルギーにすぎません。
心地よくなる感情にしろ、不快な感情にしろ深く感じることで初めて発散されて行きます。発散されていく過程でそのエネルギーが自らの動力源となって行くのです。
感情は感じるほど自らの動力源になって行くというのがプロセスコーチングの考え方です。
そして、この本にもプロセスと言う仮定が出て来ます。
どのような感情でも深く感じ味わうこと。そうすることで初めてその感情は自分自身の力となって行くと言うこと。私たちがコーチングで扱っている感情の取り扱い方と一緒なのですが、この本の特筆すべきはかなりぶっ飛んでいるということです。
私はこの作者の世界観を楽しめましたが、無理な人は無理だと思います。
どのような事をこの作者の人が言っているかというと、この世界は全知全能の自分自身が作り上げたゲームの世界であるということ。全知全能すぎる自分自身ではつまらないから、物理的に枷をかけてそこでの成長を楽しむというもの。
その成長を楽しむ鍵が感情を味わい尽くすこととかなり面白い世界観なんですよね。
私はこの世界観を受け入れてはいませんが、こういう風にあえて感じて見るのは面白いなと思ってます。
ただ、この本で書いてあることの本質はマインドフルネスになり、今の感情を味わい尽くすことで囚われを失くして行こう。そして、人生を豊かにして行こうということだと私は認識しています。
だから、マインドフルネスの推薦としてこの本を紹介させて頂きました。
私はこの本は本当に面白くて好きですし、何度も読み返しているほどです。合う人には合う、合わない人にはまったく合わない本だと思います。
まとめ プロコーチがおすすめするマインドフルネスおすすめ本7冊
いかがでしたか?
私にとっては全ておすすめの本なのですが、書いていて人を選ぶ本が結構多かったなと言う印象ですね。
マインドフルネスの効果が知りたいのか?やり方が知りたいのか?精神的影響が知りたいのか?など知りたい分野が明確であればその分野の本を読んでみることをお勧めします。
私自身、マインドフルネスに興味を持ち始めてから、かなり精神的疲労が少なくなりました。おそらく、これらの本を読んでいなければそこまでマインドフルネスに興味を持ってはいなかったと思います。
それを考えると私自身、これらの本に出合えたことがとても人生を大きく変えてくれたのだなと感謝しています。
あなたに合う本が見つかることを願ってます。
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