- Q今回の記事で学べる内容はなんですか?
- A
今回の記事ではネガティブ思考が何故ループしていくのか?の原因を探り、ネガティブ思考の改善法をお伝えして行きたいと思います。ネガティブな思考を自分自身で対処できる方法を知りたい方におすすめの内容となっております。
心理学の研究によるとネガティブな思考が息づいていられる時間は2分ほどだそうです。
え?そんなことはないだろうって?
「朝から晩までネガティブ思考が鳴り響いてるよ」
あなたはこのようにお感じになられたかも知れません。
それも。正解。
ネガティブ思考は頭の中に浮かび上がるとループを繰り返して膨張してしまう性質があるからです。
まるで核融合のように。
ひとつのネガティブ思考があなたの頭を乗っ取り、いろんなタイプのネガティブ思考を育ててしまうんですよね。
でも、ご安心下さい。
今回の記事を最後までご覧いただく事でどのようなネガティブ思考でも2分間、頭の中を空白に出来れば弱体化出来てしまうからです。
Ⅰ.ネガティブ思考の脳科学的な原因
人間は生まれつき、脳がネガティブな経験に焦点を当ててしまう習性があるそうだ。そのため、人生においてポジティブな事が多く起きていたとしても、ストレスを感じたり不幸に感じたりしてしまうのだそうだ
「Hardwiring Happiness: The New Brain Science of Contentment, Calm, and Confidence(幸福感を習慣にする方法:満足感、安らぎ、自信に関する新たな脳科学)」の著者である、カルフォルニア大学バークレー校のRick Hanson博士によれば、脳はネガティブな経験から脳構築を行うのに長けているのだそうだ。
たとえば、「 あつものに懲りてなますを吹く」ということわざもあるが、痛みを伴うと理解も速い。人間の祖先は、天敵や自然災害の脅威に日々晒されており、生きる上で切迫した状況やインパクトから学習できる脳が必要であったため、進化の過程でこうした特性が受け継がれてきたという。
Slashdotより引用
人はネガティブ思考に長けるよう進化してきたと言うことですね。なので、ご安心下さい。ネガティブ思考が強いのはあなただけではないのですから。ネガティブ思考に振り回されているのは人類全体なのですから。
さらに、脳の構造上、2人の自分が同居している状態になっているんですね。感情を司る古い脳、扁桃体と、思考を司る新しい脳、大脳新皮質によるせめぎ合いがあなたの脳の中では日々繰り返されているんですよね。
1.あなたの中に同居する2人の自分
あなたの中に同居する2人のあなたは単純に言うと、衝動や感情を司る扁桃体と、思考を司る大脳新皮質の中にいます。
カッとなる、ふさぎ込む、嬉しい、悲しい、楽しい、苦しい、などの衝動や感情は扁桃体で、その感情に対しての評価・判断は大脳新皮質で行われています。
心理学ではこの2人の自分をインナーチャイルドとインナーペアレントと区別しています。
①インナーチャイルド
インナーチャイルドは純粋に衝動や感情を表現します。本当に子供のように純粋なんですよね。あなたの喜怒哀楽はこのインナーチャイルドが感じているのです。人が人らしくあるためにはインナーチャイルドは必要不可欠なんですよね。
ただし、よく考えて見て下さい。インナーチャイルドだけではあなたの生活は成り立ちません。
あなたは欲しいものが手に入らなかったと言ってだだをこねますか?あなたは見たいテレビが見れなかったといって泣きわめきますか?意見が合わない友人に癇癪を起こしますか?
そんなことしませんよね。それはあなたのインナーチャイルドをインナーペアレントが制御してくれているからです。
②インナーペアレント
あなたが子供の頃のように衝動や感情だけで行動をしなくなった理由は大脳新皮質が大人になるにつれ成長していったからです。ようはあなたのご両親に頼らなくても、あなたが自分自身で自らの衝動や感情をコントロール出来るようになったという事なのです。
きちんと、インナーペアレントがあなたの中にいるから、あなたは子供の様に衝動や感情だけで行動を起こさなくなったんですよね。インナーペアレントがいるから、あなたはひとりの大人として行動をすることが出来ているのです。
2.幼少期の体験が2人の自分の関係を悪化させている
ここまではインナーチャイルドとインナーペアレントの働きについてお伝えさせていただきました。インナーチャイルドとインナーペアレントの関係が良好であれば、インナーチャイルドはとても伸び伸びと過ごすことが出来るため、ストレスが溜まることは少なくなります。
一方、インナーペアレントとの関係が悪いと、インナーチャイルドは泣きわめきストレスをあなたの心にため続けてしまいます。
インナーペアレントがインナーチャイルドを批判ばかりしていると、インナーチャイルドは傷つき立ち上がることが出来なくなってしまいます。
インナーペアレントは子供の頃のあなたが最も身近にいた人たちから影響を受けます。多くの人はご両親でしょう。
ご両親が不平不満ばかりを口にしていたら不平不満ばかり口にするインナーペアレントに。ご両親が否定的な発言を繰り返していたら否定的な発言を繰り返すインナーペアレントになってしまうのです。
このようにインナーペアレントがネガティブ思考で汚染されていると、あなたのインナーチャイルドは傷つき、苦しみストレスの海をさまよい続けることになってしまいます。
Ⅱ.ネガティブ思考を劇的に改善し安らぎを取り戻す3つの方法
先ほどはネガティブ思考の原因を脳科学と心理学の2つの視点から見て行きました。この章では、ではネガティブ思考をどのようにして改善していく事が出来るかについてお伝えさせていただきます。
ネガティブ思考を改善するのに大切な事は3つあります。
- 気付くこと
- 今この瞬間に意識を保つこと
- 自らを受容すること
では、それぞれについて詳しくお話させていただきますね。
1.気付くこと
ここまでネガティブ思考の話をしてきましたが、ネガティブ思考の多くは頭の中に垂れ流されているラジオのようなものです。意識をしない限り聞こえては来ません。けれども、頭の中に繰り返されているのですから無意識化に浸透してしまうんですよね。
ここで、あなたにやっていただきたいことがあります。それは3分間目をつぶっていただくということです。よろしいですか?今から3分間目をつぶるだけで構いません。試して見て下さい。
いかがでしたか?
3分間目をつぶるだけにも関わらず、あなたの頭の中ではおしゃべりが鳴り響いていたのではないでしょうか?
それこそが思考の声です。
目をつぶることであなたは意識を集中する対象が何もなくなってしまったわけです。
だから、頭の中に鳴り響く声に気付くことが出来たんですよね。
で、これは大切な事なんですが、この声は四六時中あなたの頭の中で気付かないだけで垂れ流されているんですよね。
しかも、ネガティブ思考に陥ってしまうと、四六時中ネガティブな声ばかりがぐるぐると回ってしまうのです。
そんな状態は健全な状態とは言えませんよね。まずはあなたの中に鳴り響く声を意識的に気付くことが大切です。気付くことが出来れば、ボリュームを下げたり、音楽を消したりすることに意識を向けることが出来るようになるのですから。
瞑想
瞑想を日々行い続けることで、目をつぶっていない時でも頭の中に鳴り響く声に意識的に気付くことが出来るようになって行きます。
瞑想とは自分の状態に気付き観察する方法です。評価・判断をまじえず自らの状態を観察し、その上で心に平静を保たせていく技術です。
例えば、「今いらいらしているな」と瞑想中に感じたら、いらいらしているという事実を客観的に受け止め、その上で意識から流れて行きます。
瞑想を繰り返しているうちに、普段から流れている頭の声に気付くことが出来るようになり、且つ頭の中の声を客観的に受け止め流していくことが出来るようになるんですよね。
瞑想の効果については下記の記事にて詳しく書かせて頂きました。併せてご覧下さい。
2.今この瞬間に意識を保つこと
意識を今この瞬間に保つとネガティブ思考は消えてしまいます。
思考が過去の反省や、未来の不安に捉われてしまうことを仏教用語でカルマと言います。
人は今この瞬間にしか生きることが出来ません。にもかかわらず、過去や未来に捉われてしまうと、過去や未来の幻想の中に居場所を求めてしまいます。
過去や未来ばかりを意識して、「だからダメなんだ」「そんなことをしたら後悔する」などとインナーペアレントがあなたにささやき始めて来ることに気付いたら、その時こそ今この瞬間に意識を向ける時です。
もしかしたら、その声に気付けなかったらどうすればいいんだ?という声が聞こえて来そうですね。大丈夫ご安心下さい。瞑想を繰り返していると自然とインナーペアレントの声に耳を傾けることが出来るようになってくるのですから。
呼吸法
意識を今に保つための最も有効で効果的な方法は呼吸に意識を傾けるということです。
呼吸は過去に行ってすることも、未来に行ってすることも出来ません。今この瞬間でしかないと出来ないものですよね。
また、呼吸とは意識的に行うことも出来れば、無意識的にしているものでもあります。深呼吸をしてリラックスすることも出来ますし、意識をしなくても止まることはありませんよね。
意識にも無意識にも働きかける呼吸に意識を向けることで、あなたは表層意識下でも無意識下でも今この瞬間に意識を保ち続けることが出来るのです。だからこそ、呼吸に意識を向けることが大切なんですよね。
アーナーパーナー
今この瞬間に意識を向ける上でお勧めの呼吸法があります。それはアーナーパーナーと言います。アーナーパーナーとは私が行っているヴィパッサナー瞑想呼吸法です。
アーナーパーナーとは鼻の穴から上唇までの台形の部分に全神経を集中させる方法です。呼吸を制御するのではなく、台形の部分に意識を集中してそこに集まる感覚を観察していくという方法です。
鼻から出る息や、吸い込む息、温度や湿度といった感覚をその一点のみで集中して観察していきます。
カルマに捉われているなと感じた時、意識的にこの呼吸法を行ってみて下さい。きっと、あなたの意識は今に戻ってくることが出来ます。2分間この呼吸法を行うことで2分しか生息出来ないネガティブ思考は消え去って行くことでしょう。
アーナーパーナーについては下記の記事にて詳しく書かせて頂きましたので、併せてご参照ください。
3.自分自身を受容すること
自分自身を受容することを自己受容と言います。自己受容とは自分は自分でいいんだよと自分自身を受容することです。自分の強い部分も自分の弱い部分も全てを認めて行くということです。
この意識を持つと、インナーペアレントがインナーチャイルドを責め続けるということがなくなって行きます。
「何かが出来る自分には価値があるけれども、何かが出来ない自分には価値がない」という思い込みや、「人に負けてはいけない」などという思い込みからインナーペアレントが解放されることで、インナーチャイルドを責め続けることがなくなって行くんですよね。
自己受容する方法
瞑想を続けていくと日常の生活でインナーペアレントの否定的な声に気付く回数が増えて行きます。
「なんであきらめてしまったんだ」
「毎回めんどくさがって決まった所に物を置かないからなくなるんだ」
「とんでもない愚図だ」etc
このような声に気がついたら、否定的なインナーペアレントの声を意識的に受容的に変えて行くことが
大切です。
「なんであきらめてしまったんだ」
→「かなしいよね。あきらめてしまう時もあるよね。」
「毎回めんどくさがって決まった所に物を置かないからなくなるんだ」
→「辛いよね。その気持ち分かるよ。」
「とんでもない愚図だ」
→「打ちひしがれて苦しいんだよね。」etc
インナーチャイルドの衝動や感情を意識的に察して言葉にして受容してみて下さい。
この事を習慣化すると、自分はありのままの自分でいいんだと、あなたの中のふたりのあなたは自ずと理解出来てくるのです。
そうすることで、あなたは自分自身に対して、まるで親友と接する時のように大切に扱うことが出来るようになるんですよね。
自分自身を大切に扱うことが出来るようになることで、人に対しても同様に大切に扱うことが出来るようになってきます。
下記の記事では自己受容のやり方についてより詳しく書かせて頂きました。併せてご参照下さい。
Ⅲ.ネガティブ思考を劇的に改善し安らぎを取り戻す3つの質問
この章ではネガティブ思考を軽減するためのコーチング的質問を作らせていただきました。じっくりとこれらの質問を考えることであなたの無意識から出される声に耳を傾けることが出来ることでしょう。
1.あなたは今まで自分を支えて来てくれたあなたにどんな感謝の言葉を伝えたいですか?
この質問はインナーチャイルドもインナーペアレントも含めたあなた自身に問いかけてみて下さい。あなたは彼らにどのような感謝の言葉を伝えられるでしょう。感謝の言葉はエネルギーに満ちています。
ハーバード大学の実験によると毎朝5回感謝の言葉を紙に書き出すだけで幸福度は上昇していくというデータがあります。
あなたは彼らにどのような感謝の言葉を伝えられるでしょうか。
2.あなたはインナーチャイルドになんて声をかけてあげたいですか?
あなたの中にいるインナーチャイルドは今まで攻め続けられ疲れ果てているかもしれません。どのような状態でしょうか?さみしがっていますか?悲しがっていますか?
今まであなたはインナーチャイルドの状態に気付いてあげることが出来ませんでした。しかし、これからのあなたはインナーチャイルドと共にいて上げることが出来ます。
今あなたがインナーチャイルドに対して率直にかけて上げたい言葉を投げかけてみて下さい。
3.インナーチャイルドはあなたにどのように声をかけていますか?
インナーチャイルドからあなたに対してどのような声がかけられたでしょうか。それはずっとひとりぼっちだった辛さかもしれません。もしかしたら、気付いてくれたことによる感謝の言葉かも知れません。
あなたの身体の感覚はどのように反応していますか?嬉しさですか?哀しみですか?ほかの感情ですか?この感情にもしっかりと意味があります。しっかりと十分に味わってみて下さい。
これからは気付いた時には今回紹介した3つの質問をあなたに繰り返し問うようにして見られることをお勧めします。
いつしかインナーチャイルドは癒され、元気になる時がきっと訪れる事でしょう。その時にはネガティブ思考に悩まされることもなくなっている事でしょう。
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まとめ ネガティブ思考を改善し心に安らぎを取り戻す3つの方法
いかがでしたか?
瞑想、呼吸法、自己受容の3つはセットで行うことをお勧めします。どれも毎日意識的に行うことでネガティブ思考に悩まされる事から解放されていくことでしょう。
私のコーチとしてのテーマは自己受容です。私自身、自己受容が出来ていなかった時は、自分自身を行為と結果とでしか評価出来ていませんでした。
なので、失敗したら落ち込み、人が成功したら妬み、過去を悔い、未来に恐怖しとネガティブ思考に支配されていたんですよね。
すべては外的要因ではなく、自分自身で生み出していることなのに、当時はまったく気付かなかったんですよね。
どんな自分でも自分は自分でいいんだよと許可を出せた時から徐々にネガティブ思考から解放されて行きました。
そうなってくると、本当に自分に対しても人に対しても大切に接することが出来るようになってきたんですよね。
私にとって今回のテーマはとても大きなテーマです。
今回お伝えした3つの方法は継続し続けて初めて効果をもたらす方法なんですよね。
私自身、これらを継続し続けていくことで徐々に変わって来ました。自分が変われた方法だからこそ、あなたにもネガティブ思考から脱却して自己受容が出来るようになってもらえたらと願っています。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
コメント
はじめまして、読み込むほどに腑に落ちる深い内容にいつも助けていただいています。これからもお世話になるべくお礼のコメントとさせて頂きます。
コメントいただきありがとうございます。
最近ブログをリニューアルし再度記事を作成していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。