瞬間的に望む状態に自分を変えるアンカリング8ステップ

アンカリング

今回の記事ではNLPの技法のひとつアンカリングについてお伝えしていきます。アンカリングとは自分を変える望ましい変化を意図的に作り上げていくことを指します。具体的には自分に特定の刺激を加えることにより自らにとって望ましい反応を引き出していく作業となります。

バッターボックスに向かうイチロー選手がアンカリングを説明するには最も好ましい例といえるでしょう。イチロー選手はいついかなる時も打席に向かう時は決まった足から一歩を踏み出します。そして、打席に立った時も同じくいついかなるときも腕を前に向けます。

イチロー選手の場合は、決まった足から一歩を踏み出し、打席に立った時に腕を上げる作業がアンカリングのでいう所の特定の刺激を加えている状態と言えます。そして、この状態になることでイチロー選手は人並みはずれた集中力を引き出しているのだと言えるでしょう。

ちなみにどんなにプレッシャーのかかる試合でもこのように特定のアンカリングがあれば、心拍数や脈拍も平常時に戻り最高のパフォーマンスを発揮できるとの研究結果もあるほどです。

私たちもイチロー選手のようにオリジナルのアンカーをつくることが出来ます。そして、そのアンカーを使いこなせればどのような時にでも自分を変えることが出来るようになるのです。

次の章からはアンカリングについての詳しく説明させていただきます。自分を変えるためにオリジナルのアンカリングをつくりたいという方は是非ともご一読下さい。

NLPの技法について詳しくはNLPとは何か?理論から実践編まですぐに使える4ステップをご参照下さい。

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Ⅰ.アンカリングとは

スイッチ

アンカリングとは自分の中に自分を変えるためのスイッチをつくるようなものです。特定の状態をつくると、スイッチが入り、自分を望む状態に導いてくれるものとなります。

勉強に向かう時に集中力を引き出すためのスイッチを入れることが出来れば勉強がはかどると思われませんか?ネットサーフィンや考え事で無駄な時間をつぶすことなく勉強に取り組めたらいかがでしょう?

または、人前で話すのに緊張をする人ならリラックスをするためのスイッチがあればいいですよね。スイッチを押すたびに緊張がとかれていったらどうなるでしょう?きっと、その場を有意義に過ごせるのではないでしょうか。

ちなみに私が使っている自分を変えるためのアンカーは「シャワーを浴びる→集中する」「掃除をする→発想力が出てくる」「甘いものを食べる→想像力が出てくる」「指ぱっちん→ブログのネタが出てくる」を良く使っています。

上記のようにある刺激と引き出したい反応を結び付けてアンカリングをつくれれば、変えたいときに自分を変えていくことが出来てきます。

Ⅱ.アンカー

アンカー

特定の反応を引き起こす引き金となる刺激のことをアンカーといいます。アンカーとは英語で「碇」という意味です。碇をおろした時の船のように自分の状態が固定されることからアンカーと呼ばれています。この章ではアンカーにはどのような種類があるかを具体的にお伝えさせていただきます。

1.視覚アンカー

視覚アンカーとは目に映るものをアンカーとして使用することを指します。

キャラクター、シンボルマーク、写真、絵、ビジョンボード、カード、硬貨、装飾品

上記のように目に見える強い印象を持つものが視覚アンカーとなります。特に思い入れが強いものほどアンカーとしは強力だと言えます。

視覚アンカーの優れた点は容易に持ち運びが出来たり、目につきやすいところにおけるという点です。見ることでスイッチを入れることが出来るため、自分を変えるには非常に使い勝手のいいアンカーだと言えます。

ちなみに私はパソコンに向かう時の真正面の壁にビジョンボードを張り付けています。

無題

実際はコルクボードに写真やグラフを張り付けていつでもイメージを付け替え可能にしています。このボードを見ることで視覚アンカーが働きブログを書く意欲にもつながっています。

2.聴覚アンカー

聴覚アンカーとは音として聞こえるものをアンカーとして使用することを指します。

言葉、口癖、音楽、特定の音、内部対話、名言

例えば、「ほたるの光」を聞けば物悲しくなってくるのも聴覚アンカーが作動した結果だと言えます。

ちなみに私の聴覚アンカーは「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」です。この言葉を頭の中で唱えると急速にやる気がみなぎってきます。

眠っている潜在能力を目覚めさせる!やる気が出る言葉18選にて聴覚アンカーに使える名言や口癖をまとめておりますので、よろしければご参考下さい。

3.体感覚アンカー

体感覚アンカーとは冒頭で紹介したイチロー選手のように体の感覚をアンカーとして使用することを指します。

しぐさ、ポーズ、身体の刺激、におい、手触り、痛み

体感覚アンカーは自分の動作がそのままアンカーにつながるため、いつでもどこでも使えるという手軽さがあります。また、私は主に体感覚アンカーを使用しています。その理由は、自分の感覚に合っているからです。

NLPでは人は視覚タイプ、聴覚タイプ、体感覚タイプの3種類に分かれると考えられています。人は3種類のうち1種類しか持っていないのではなく、自分にとってより強い感覚がひとつあると認識されています。私は体感覚が自分にとって最もしっくりくるので体感覚アンカーをメインで使用しています。

人の得意分野となる感覚をNLPでは優位表象システムと呼んでいます。詳しくはNLPとは何か?理論から実践編まですぐに使える4ステップ3.表象システムにてご確認ください。徹底的に掘り下げて書いておりますのでご参考下さい。

4.空間アンカー

空間アンカーとは体感覚の延長線上に位置するアンカーとなります。

部屋・席・憩いの場、公園、カフェ、バー、図書館、仕事場

その空間に足を運び入れると自然とアンカーが発火されていきます。休日にも関わらずあえて仕事場で残った仕事を終わらせるという人は仕事場が集中するための空間アンカーとなっているからです。その場合、おそらく、自宅はリラックスするためのアンカーが働いているのでうちに持ち帰っての仕事ははかどらないのだと言えます。

カフェやバーなどは代表的な空間アンカーだと言えるでしょう。自分のお気に入りのカフェやバーにいる間は常にリラックスした状態が続いています。そのリラックスした状態と、カフェやバーが頭の中でリンクし続けたことにより、その空間に行くだけでリラックスできるようになってくるのです。

Ⅲ.アンカーは体験によってつくられるもの

アンカーとは体験によってつくられるものです。それを体感していただくためにも、下記の画像をご覧ください。

自分を変えるアンカー

おそらく、うめぼしの酸っぱさを思い出して口の中では唾液が溢れてしまった状態となっているのではないでしょうか?

これは私たち日本人が梅干し=すっぱいということを体験によって理解しているからです。梅干しが唾液を出すアンカーとして機能しているということですね。

しかし、この画像をインドの人が見てもおそらくほとんどの人は何も感じないでしょう。それは、インドではうめぼしがまったくといっていいほど知られていないからだと言えます。逆にインドではこの画像を見て、桃のように甘そうだというイメージを持つ人もいるかも知れません。

もし、インド人の人がうめぼしを食べると、強烈な酸っぱさに度肝を抜かれることでしょう。そして、次からは上記の写真を見ただけで強烈な酸っぱさが想起され唾液があふれ出てしまうということが起きても不思議ではないのです。

強烈な体験であるほど、自分を変えるアンカーとしてはとても力強いものとなるものです。

逆に強烈なインパクトがないアンカーの場合は、回数をこなすことでアンカーと感情を結び付けていきます。回数をこなすほどアンカーと感情の接点は増えるため、自然とアンカーと感情がリンクしてくるのだと言えます。

次の章では、アンカーと感情をどのように結びつけて、自分を変えるオリジナルのアンカリングを作り上げていくかをお伝えさせていただきます。

Ⅳ.アンカリング4つのコツ

アンカリング4つのコツ

自分を変えるための効果的なアンカリングをつくるには4つのコツがあります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1.ピーク直前のタイミングを思い浮かべる

アンカーと結びつける感情は、その感情がピークに達する直前の感情を結びつけます。例えば集中力を引き出すというアンカーなら最高の集中力を手にする直前のタイミングとアンカーを結びつけるということです。これにより、アンカーを発火させた直後に状態がピークに達することが出来るからです。

2.強い状態

状態が強いほどアンカーは強力に作動する性質を持っています。よって、自分にとって強力な体験を思い浮かべてアンカーにすることがとても重要となってきます。例えばやる気のアンカーをつくるなら、応援している球団が優勝した時などを思い浮かべて作ると強力な感情とアンカーが結びつきやすくなります。

3.はっきりしたもの

アンカーは、アンカーだとはっきりとわかるものを選びます。たとえば、あいづちや、くせなど日常的に使用しているものではアンカーにはなりえません。自分を変えるためにははっきりしたなるべく分かりやすいアンカーを用意しないと意味をなしません。

4.繰り返すことが出来るもの

アンカーは望んだときに、いつでも発火させることが出来るように、正確に繰り返すことが出来ることが必要です。毎回違ったアンカーにしては意味をなさないということです。

Ⅴ.リソース・アンカー

リソースアンカー

「リソース・アンカー」とは自分自身の中にあるリソース(資源)を呼び起こすアンカーです。本来人はさまざまなリソースを内に持っているものです。しかし、そのリソースを呼び起こしたい時に呼び起こす手段を知らないのです。

リソース・アンカーとは人が持っているリソースを呼び起こしたい時に、いつでも呼び起こし、望ましい状態に変えていくためのアンカーとなります。アンカリングの技術は数多くありますが、このリソース・アンカーがすべてのアンカリングの基本となります。

今回は私が集中力のアンカーをどのように作っていったかを説明させていただきます。当然、同じようにやれば集中力のアンカー以外にもオリジナルのアンカーをつくっていくことが出来ます。

1.アンカーを決める

自分を変えるためのアンカーを決めることがはじめの一歩です。例えば、私の場合、集中したいときにいつでも集中力を引き出せるアンカーは「指ぱっちん」です。聴覚アンカーと、体感覚アンカーの両方の特性を持っているため非常に使いやすいアンカーです。

2.望ましい状態

自分が最も集中していていた状態を思いだし、じっくりとイメージの中に浸っていきます。そうすることで全身に集中力があふれ出てくる感覚が再体験されてきます。

3.ピークの直前

集中力がピークの直前で「指ぱっちん」を耳の横でします。これで集中力がピークの直前と「指ぱっちん」が脳の中でリンクされた状態になります。

4.ブレーク・ステート

深呼吸をして中立的な状態になります。これをブレーク・ステートと言います。そして、2~4の流れを自分の納得いくまで繰り返していきます。とても強い体験なら1回でもアンカーとなりえますが、そこまで強くないアンカーであれば数回以上はこの工程を繰り返していったほうがいいでしょう。

5.アンカー発火

1~4まででアンカーと集中力は強くリンクをされました。これで実際に集中したい時には「指ぱっちん」をしていけば集中力モードに突入できます。また、アンカリングの素晴らしいところは、継続して続けているうちにより、アンカーと状態が強く結びつくところにあります。私で言えば、「指ぱっちん」を継続するほど集中力がより冴えわたってくるという事になります。

Ⅵ.スタッキング・アンカー

スタッキングアンカー

「スタッキング・アンカー」のスタックとは「積み重ねる」という意味です。よって、「スタッキング・アンカー」とはアンカーを積み重ねていく事となります。

例えば、先ほど紹介した私の「指ぱっちん」では集中力強化にリンクをさせていました。スタッキング・アンカーとは「指ぱっちん」という動作にさらに「やる気」や「発想力」を追加させていくのです。

追加のさせ方は、リソースアンカーで紹介したやり方でそのまま追加させるだけでOKです。これによりひとつのアンカーで複数の効果が得られることが出来るようになります。

Ⅶ.チェイニング・アンカー

プリント

「チェイニング・アンカー」のチェインとは鎖のことです。「チェイニング・アンカー」とは鎖でつないだアンカーをイメージして下さい。どのようなことかというと、現在の状態とアンカリングで手に入れたい状態に大きく差がある場合、鎖につないだように段階的にアンカーをつないで望ましい状態を手に入れていくのです。

具体的に考えていきましょう。行き詰った状態から自身のある状態では望む状態との差が開きすぎていると言えます。このような場合に、ひとつめのアンカーを客観視、ふたつめのアンカーを冷静、3つめのアンカーを期待、4つめのアンカーを自信のある状態としていくことで、状態を徐々に変えていくことが出来るのです。

この場合、「指ぱっちん」のように単独型のアンカーではなく、親指にひとつ目のアンカー、ひとさし指に2つ目のアンカー、中指に3つ目のアンカー、薬指に4つめのアンカーなど連動した動きが出来るアンカーにしたほうがいいでしょう。

指を立てるたびに、アンカーが発火していく仕組みが出来れば望む状態との差が大きくても、瞬時に気持ちの切り替えが出来るようになっていくことでしょう。

Ⅷ.コラプシング・アンカー

コラプシングアンカー

「コラプシング・アンカー」のコラプスとは崩壊させるという意味です。直訳すると崩壊させるアンカーという意味ですね。では、アンカーで何を崩壊させるのでしょうか?それは否定的な状態です。

例えば、どうしようもなく感情が落ち込んでいる時があったとしましょう。そんな時でもコラプシング・アンカーを行うだけで、その感情がなくなってしまうのです。

では、コラプシング・アンカーとはどのように作り上げるアンカーかについてお伝えさせていただきます。人は否定的な状態と、肯定的な状態を同時に感じることが出来ません。コラプシング・アンカーではこの性質をうまく利用しています。

具体的に説明していきましょう。椅子に座っている所を想像してみて下さい。今回は足を叩くという事をアンカーとしていきましょう。まずは左足を叩くことで嫌な思い出など否定的な記憶を呼び起こすアンカーを作り上げます。アンカーの作り方はリソース・アンカーをご参照ください。

次に、右足を叩くことで、とても楽しかった思い出など肯定的な記憶を呼び起こすアンカーを作り上げます。これで、左足を叩くと嫌な思い出がよみがえり、右足を叩くととても楽しかった記憶がよみがえるようになりました。

コラプシング・アンカーとはこれら相反する状態を同時に発火させることで、感情を中和させることが出来るのです。自分を変えるにはとても強力なアンカーだと言えます。人は相反する2つの感情を持ち合わせることが出来ないからこそ、相反する感情を同時にぶつけることで打ち消しあっていくのです。

このアンカーを使うことで現在抱えている否定的な状態をも消すことが出来るのです。

まとめ

今回の記事では自分を変えるためのアンカーについて紹介させていただきました。イチロー選手のような偉大な選手も使っている手法であるため、自分を変える効果は折り紙つきです。

ただし、どのような技術にもいえることなのですが、まずは徹底してひとつのアンカーを追求していくことをお勧めします。まずは、リソース・アンカーを自在に使いこなすことが出来るようになるまで掘り下げていかれたほうがよりよい結果につながることでしょう。

自分を変えるのにとても強力なツールとなるため、使いこなしていただければ幸いです。

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参考文献

NLPの教科書 前田忠志 実務教育出版

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