- Qこの記事で学べる内容はなんですか?
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Ⅰ~Ⅴ章では子育てコーチングを最大化するために必要不可欠な考え方や向き合い方や心理学について学びを深めてもらいます。Ⅵ章からは具体的な子育てコーチングのやり方を3つお伝えしています。順をおってご覧いただく事でコーチング能力が上がっていくように記事を書かせて頂きました。一刻も早く子育てコーチングのやり方から知りたい方はⅥ章からご覧ください。
この記事をご覧いただく事であなたのお子さんとの向き合い方は大きく変わっていく事でしょう。
あなたが「子育てコーチング」で検索をした時に感じていた気持ちとはどのようなものでしょうか?子供がいう事を聞いてくれない。いい子に育ってくれない。気持ちを抑えることが出来ずに周囲に迷惑をかけてしまっている。などといった事が起こっているからではありませんか?
ここでひとつお伝えしておきたいことがあります。子育てコーチングとは自分の思い通りに子供を育てるための手段ではありません。お子さんの気持ちに立って話を聴いてあげることで、親子の関係性が良好になるところに重きを置いています。
結果的に、関係性が良好になることで、お子さんの自己受容が増し自分にも周囲にも優しい人間になって行きますが、自分の思い通りに子供を育てる方法ではないことを初めにお断りさせていただきます。
自分の存在を心から認めてくれるという信頼を子供から持ってもらうことが良好な関係を築く第一歩となります。そのための方法を本日はコーチの視点からお伝えさせていただきます。
Ⅰ.上下のコミュニケーションから横のコミュニケーションへ
自分の思い通りに育てるということは、上下のコミュニケーションになります。上下のコミュニケーションとは上に立つものが正しく、下に立つものが間違っているという視点に立ったコミュニケーション方法です。一方、コーチングとはあくまで対等の関係によるコミュニケーションとなります。
もちろん、親と子では「立場」が対等というわけにはいかないでしょう。子供は親に養ってもらわなければ生きてはいけませんしね。しかし、「存在」としてはどうでしょう?あなたの方が上の存在で、子供が下の存在だと思われますか?それはないでしょう。
「存在」としてあくまで対等として、接することが子育てコーチングの肝となります。自分の希望を押し付けるのではなく、子供のいう事をあからさまに否定するのではなく、あくまで対等の存在として子供と関わっていくことが大切です。このようなコミュニケーションを行うことで、自然と子供の心は愛情で満たされ、優しさにあふれた素晴らしい存在のまま成長をしていくのです。
Ⅱ.家族心理学
とはいえ、親子の関係は1対1という関係だけで機能するものではない事を本題に入る前にお伝えさせていただきますね。家族心理学という心理学では親子の問題は夫婦の関係性や舅や姑との関係性の全体的なシステムが相互に結びつき起こっていると定義しています。
1.家族間のシステムが機能しない事で子供を傷つけてしまう例
簡単にいうといくら子育てコーチングをしてお子さんとの関係性を良好に保とうとしても、家族間のシステムが悪いとうまく行きませんという事です。
舅、姑との関係性
舅と姑との関係性の悪さを家族の話として子供の前で話をしてしまう事で、子供は精神的にバランスが取れなくなってしまう可能性が高まってしまいます。
夫婦間の関係性
夫婦間の関係性が悪くて旦那さんの愚痴をいつも聞かされ続けているお子さんがいるとしたら精神のバランスがうまくとれなくなってしまう可能性が高まってしまいます。
子供の過度な権利
また、子供の言う事は絶対だと子供の家族の中での発言権を1番においてしまう事も子供の発達に良くありません。
2.立場と世代間境界線をはっきりと区分する
この項目では家族の中における立場と世代間における境界線を区分する事の必要性について書かせて頂きます。
立場の明確化
親と子供の立場は明確に違いますよね。扶養する側と扶養される側という意味でもそうですし、そのほかの部分でも立場はまったく異なりますよね。また、親が子供よりも上の”存在”というで事はありませんが、立場としては明確な上下関係にあります。
親が子供を養っているのに、子供の意見が第一優先される家庭は立場が逆転してしまっているので、子供の教育上好ましくありません。のびのびと育てるというのと、甘やかして育てるのとではまったく違います。
世代間境界線の区分
舅や姑との関係の悪さは自分たち夫婦の世代間と、舅や姑の夫婦の世代間の関係性の悪さによるものです。分かりやすく舅や姑を第1世代、夫婦を第2世代、子供を第3世代として説明させて頂きます。
世代間境界線の区分とは、第1世代と第2世代の対立に第3世代の子供を巻き込まないようにしたり、第2世代である夫婦間の対立に第3世代の子供を巻き込まないようにしていく事です。
世代間の立場を明確に区分してはっきりと心理的な境界線を引く事が家族心理学では重要なのです。世代間の区分がはっきりしているほど子供がかかる心理的負担が減り、子育てコーチングで子供の可能性を伸ばして行く事が出来るのです。
Ⅱ.傾聴とは
子育てコーチングでは傾聴という聞き方をマスターしていく必要があります。傾聴とはただ単に話を聞くことではないという事は、もうすでにあなたに雰囲気的に伝わっているかもしれませんね。そうです。傾聴とはただ話を聞くことではありません。
傾聴の説明の前に、「聞く」と「聴く」の違いからまずは説明させていただきますね。この2つの違いはなかなか区別がつかない人も多いのでこの章で改めて説明致します。
『広辞苑』(岩波書店)
広く一般には「聞」を使い、注意深く耳を傾ける場合に「聴」を使う。
広辞苑では上記のように「聞く」ことと、「聴く」ことが分けられて定義されています。当然、傾聴の「聴」は注意深く耳を傾ける場合に使う時に使う聴くから来ています。では、「傾」とはなんでしょうか?
それは、耳以外にも心も身体も存在も全てを傾けるほど真剣に聴くことから、「傾」が使われています。ようはより真剣に聴くということです。コーチやカウンセラーはクライアントと接する時は常にこの傾聴を意識しています。
とはいえ、より真剣に聴くと言ってもあなたはどのように聴けばいいのかという所に疑問を持たれていることでしょう。では、その疑問に次の章でお答えさせていただきますね。
Ⅲ.傾聴の具体的な5つの方法
この章では基本的な傾聴の方法についてお伝えさせていただきます。とはいえ、難しい事はなにひとつありません。気持ちの置き所を意識的に変えていくだけで、傾聴力は驚くほど向上していくものです。簡単ではありますが、とても効果の高い方法となりますため、お試しください。
1.子供の気持ちに立って聴く
傾聴で意識をしていただきたいことは、相手の気持ちに立って聴くということです。通常、人は自分の思考と言うフィルターを通して人の話を聞いています。相手の話を自分はどう思うか?という評価・判断をして相手に返答していくのです。
この聞き方では相手の話を聞いているようで、実はまったく聞いていません。これでは自分の頭の中の思考と対話している状態だと言えます。自分の思考ではなく、お子さんの気持ちに立ってが何を伝えたいのか?という部分に意識をフォーカスして見て下さい。
2.自分から見てどのように映っているかを伝えて上げる
話をしているお子さんが自分から見てどのように映っているかを伝えて上げることで、お子さんの中でより深く話をしている内容に意識が向かっていきます。結果として話がより鮮明になり内容が具体的にまとまって行くのです。
例えば、
- うれしそうに話をしているねー。
- とっても悔しそうに見えるよ。
- すっごく頼もしく見えるよ。etc
このようにあなたから映るお子さんの状態を口にだして表現してあげることが大切です。お子さんが自分の話に深く入っていくことで、あなたはお子さんの深層心理にある声を聞くことが出来るのです。普段本人も意識していない深層心理の話を聞くことでお子さんのより深い部分があらわになってくるのです。
3.事柄ではなく感情にスポットライトをあてる
傾聴で大切なことは事柄ではなく、感情にスポットライトをあてるということです。「何をしたのか?」「いつするのか?」「なぜそうしたのか?」という事柄を聞くことよりも、「どう感じたのか?」「その経験を通して何が見えたのか?」「いま感じている気持ちは?」など、感情を聞くことが大切です。
なぜなら、事柄ばかりを聞いてしまうと、思考の声ばかりに意識を取られてしまうからです。思考の声とは頭で考え出していく言葉です。よって、自分の気持ちに意識が向いていきません。一方、感情の声とは現在の感情がありのまま表現された声となります。そのため、気持ちにダイレクトにアクセスすることが出来ます。
気持ちを伝えることのインパクトは想像以上に大きなものです。自分の気持ちを伝えることで、お子さんはあなたに対してより自分をわかってくれるという肯定的な感情が大きく芽生えることでしょう。感情を聞くことで信頼関係が強固になっていくのです。
4.自分の意見を押し付けない
傾聴に最も適さないコミュニケーションが自分の意見を押し付けるです。もし、あなたがお子さんから嫌われたいのであれば、最適なコミュニケーションだと言えるでしょう。使えば使うほど心のクレバスは大きく深くなっていくこと間違いなしです。
でも、あなたは「子供は子供なんだから、大人がきちんと教えて上げないときちんとした常識が身につかないのではないか?」とお考えになっているかもしれません。そこで、例を見てもらうことで、あなたにどちらのコミュニケーションを軸としていただくかを決めてもらおうと思います。
例 ピーマンを残してしまっている時
「どうして、毎回、あんたは残すの。せっかく作った私の身になりなさい。ピーマン食べるまでは席から立ったらダメだからね。」
「すごくまずそうな顔してるね。嫌いなの?お母さんは作った料理が残されるのはとっても悲しいな。」
さて、料理を残さず食べて欲しいという同じ意味を伝えるにしても、どちらがお子さんとの意思の疎通を図れるでしょうか?例え結果が同じだったとしてもお子さんに与える心境は違うと思いませんか?あなたが子供だったとしたら、どちらで接してもらいたいでしょうか?
後者の様に自分の気持ちを伝えるメッセージをアイ・メッセージといいます。この伝達手法は自分の気持ちを伝える上に相手に嫌な気持ちを起こさせない話し方です。その上、自分の主張を聞いてもらいやすくなるという一石二丁の方法です。
5.今に焦点をあてる
傾聴では今に焦点をあてることもとても重要な要素のひとつとなります。あなたがお子さんの話を聞いている時に、過去のことを振り返って思いに耽ったり、未来の事をあれこれ考えていたらどうでしょう?きちんとお子さんの話を聞いているとは言えませんよね。
常に今目の前にいるお子さんに焦点をあてて、今この瞬間に意識を置いておくことが大切です。そのためには、自分の思考を客観的に把握していく必要があります。思考とは浮かんでは消えていく性質を持っています。問題なのは浮かんだところでキャッチアップをしてしまうから思考に捉われてしまうのです。
思考をキャッチアップしてしまったと客観的に判断出来れば、思考を手放すことも容易になってきます。あなたは、お子さんの話に意識を向けつつも、絶えず今の自分が思考に捉われていないかに注意を払ってみて下さい。初めはなれないので難しいかもしれませんが、筋力と同じでこの能力は鍛えることで強化されていきます。傾聴をマスターするならぜひ身に付けてみて下さい。
Ⅳ.子供の無限の可能性を信じる
子育てコーチングではお子さんの無限の可能性を信じることがまずは何よりも求められます。お子さんはあなたが1から10まで指示を出さなければ育っていけないような非力な存在ではありません。彼らには無限の可能性も才能も想像力も眠っているのですから、答えは彼らの中に自然と詰まっているのです。
子供を自分がいないと何もできない頼りない存在と認識してしまうと、あなたのコミュニケーションは自然と上下のコミュニケーションとなってしまいます。上下のコミュニケーションは別名対立のコミュニケーションと言われています。それに対して、横のコミュニケーションは協調のコミュニケーションと呼ばれています。
上下のコミュニケーションの背景には子供を自分の思い通りに操るというエゴがあります。自分が思い描いた通りの理想的な子供像にわが子を当てはめようとしているのですから、子供の視点から見れば窮屈で仕方がないでしょう。
子育てコーチングでは、子供の無限の可能性を信じるからこそ、子供の夢や目標を最大限後押し出来るのです。「野球選手になる」でも、「芸能人になる」でもお子さんの夢を頭ごなしに否定するのではなく、本気で達成出来るものと考え、話を聞いてあげてみて下さい。きっと、親子間の関係性に大きな変化が訪れてくるはずです。
Ⅴ.自己受容を満たす
子育てコーチングはあなたのお子さんの自己受容を満たすためにあるといっても過言ではありません。自己受容とは自分自身を愛することです。人は自分自身が満たされ、愛することで初めて自分自身に対しても他人に対しても優しく接することが出来てきます。
子育てコーチングであなたのお子さんの自己受容は確実に満たされてきます。自分自身の発言をあなたが真摯に聞いてくれるという事は、存在価値をあなたに認めてもらえたと認識するのです。。
存在価値を認められることで承認欲求が満たされるため、心のスペースから認められたいという渇望が消えていくのです。その空いたスペースに愛が満たされていくのです。子育てコーチングを受けることであなたのお子さんが愛に満たされた素晴らしい光へと変化していくのです。
下記の記事では自己受容について具体的に書かせて頂きましたのだ併せてご覧下さい。
Ⅵ.子育てコーチングにおけるとても簡単な3つのテクニック
この章では子育てコーチングの簡単なテクニックを3つ紹介させていただきます。当然、このテクニックを使う前提として傾聴が出来ている必要があります。傾聴が出来るようになった上でこのテクニックを使ってみて下さい。きっと大きな効果に驚かれるはずです。
1.イメージの世界を作り上げる
あなたがお子さんの話を聞く場合、お子さんをイメージの世界へいざなって下さい。イメージの世界へいざなうには比喩が最適です。
例えば、
- あの雲の上から見たら何が見えるかな?
- にゃんちゃんが喋れたら〇〇ちゃんを見てなんていうと思う?
- まるで鬼退治に行く桃太郎見たいだねetc
子供の空想力は大人をはるかに凌駕します。実際のコーチングでもイメージの世界を多用しますが、子育てコーチングではイメージの世界はより重要性をおびてきます。イメージを作り上げることで、あなたのお子さんはより深層心理の中に入っていくことが出来ます。そうすることで、心の中の声をより具体的に具現化出来るのです。
深層心理の中にこそ溢れるほどの金銀財宝が眠っているのです。
2.アニメや童話のキャラを使う
イメージの世界同様、アニメや童話のキャラクターも子育てコーチングではとても重要なリソースとなってきます。あなたのお子さんがなりたいアニメのキャラクターはどういった人物でしょうか?そしてその理由は何だと思いますか?子供がなりたいアニメのキャラクターは無意識のうちに自分が発揮したい能力を投影しています。
例えば、ルフィーになりたいのであれば、勇気・活発・元気・人から好かれるなどがあるでしょう。そういったあなたのお子さんが憧れる漫画のキャラクターを子育てコーチングでは使って行きます。具体的には、「〇〇ちゃんの中にいるルフィーはなんていっているの?」などと聞いてみて下さい。
きっと、ルフィーの思考を反映した答えが返ってくるでしょう。お子さんのなりたいキャラクターを複数人把握しておくととても役に立ちます。
理由として、お子さんが元気のない時にはルフィーなど活発なキャラを使い、お子さんに理性的に考えてほしい時はコナンなど理性的なキャラクターを呼び出すことで、状況に応じた返答が帰ってくるはずです。
キャラクターを使うことで、お子さんだけではたどり着けないであろう、たどり着くのです。ぜひ、積極的にアニメのキャラクターを使ってみて下さい。
3.オープンクエスチョンをする
オープンとは話が広がる質問の事です。逆に話が閉じてしまう質問をクローズド質問と言います。クローズド質問とは「宿題やった?」「きちんと連絡した?」「進路は決めた?」など、イエスかノーでしか答えられない質問を指します。このような質問では要件を聞くだけで話が広がりません。
逆にオープンクエスチョンは質問をすることで話に広がりを持たせます。オープンクエスチョンのコツとしては感情に焦点をあてた質問を投げかけることです。
- 今の気持ちはどう?
- 話をしてみていま何が見える?
- なにが心の中から出て来ているの?etc
オープンクエスチョンをするということは、検索エンジンにキーワードを入れることに似ています。検索エンジンにキーワードを入れると、膨大なネット上の情報から最適なサイトが表示されてきますよね。それと同様、質問を投げかけることで、脳にある膨大な情報の中から潜在意識が最適解を見つけ出してくるのです。
質問を投げかけられた本人ですら意識をしていなかった答えが出てくるのはそのためです。オープンクエスチョンを使いこなすことで、よりあなたのお子さんと深くつながることが出来るでしょう。
まとめ 子育てコーチングをすれば親子関係は良好に
子育てコーチングはコーチングを通してお子さんが結果的に人として大きく飛躍していきます。それというのもあなたが真剣にお子さんの話に耳を傾けることで、自然と自分自身の存在価値に自信を持てるようになるからです。
多くの人は子供のころから数々のことを否定されて育ってきています。特に関係が近ければ近いほど、上下のコミュニケーションにて押さえつけられ、ありのままの自分自身を表現できなくなってしまうものです。人はありのままの自分自身でいる時こそ、精神的にも肉体的にもイノベーション的にも最高のポテンシャルを発揮するものです。
あなたが子育てコーチングをすることで、お子さんはありのままの自分自身でいてもいいのだという揺るぎない許可をあなたから受け取ります。この許可こそ人の可能性を無限大の伸ばしていく秘訣だと言えるでしょう。
しかし、最も大切なことは、あなたとお子さんの関係が子育てコーチングを通して、これ以上ないというほど良好になることです。親子ではあるけれども、親友のような間柄になっていけることこそが子育てコーチングの醍醐味と言えるでしょう。
あなたも子育てコーチングをマスターして、お子さんと親友になってみませんか?
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