今回の記事では日本人の幸福度の低さの原因を追究し、個人個人で出来る幸福度を上げる方法についてお伝えしていきますね。

こんなに裕福な国に住んでいるのに日本人の幸福度はありえないほど低いのが現状です。
なぜ、こんなに低いのかを考えることで、今後私たちひとりひとりがしあわせになるためにはどうしていけばいいのかを考えていきたいと思います。

折角、物質的に満たされた国に住んでいるのに国民が不幸だなんてもったいないと思ったのがこの記事を書くきっかけとなりました。
物質的な豊かさだけでは幸せになれないのなら、精神的な豊かさをも合わせて追及していきましょーよってことですね。

ということで、まずは日本人の幸福度についてお伝えさせていただきますね。

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Ⅰ.日本人の幸福度

 

私たち日本人は程度の差こそあれ、物質的には豊かな生活を送っていますよね。
にもかかわらず国民の幸福度は先進国下から2番目です。
下記の画像は、アメリカシンクタンクのピュー・リサーチセンターが2014年に世界各国の幸福度を調べた時のデータです。

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経済危機が起こったギリシャが先進国最下位なのはまだわかります。
でも、日本は43点で下から2番目ですからね。
GDP世界第3位で物質的には恵まれているはずの日本の幸福度が下から2番目という事実に驚愕させられてしまいました。
ちなみに国民一人あたりのGDPが伸びてきている新興国の幸福度は軒並み上がっているそうです。

もちろん、このようなデータがすべてではありませんし、データの取り方によってはいかようにでも結果は変えられるでしょう。
しかし、それを差し引いても日本だけがずば抜けて異常だと思うのは私だけでしょうか?

ほかにもこの手のデータを見るといつも日本のデータは低いですしね。
これは何かがおかしいと思ってしまっても不思議ではありませんよね。

1.日本人を不幸にしている原因とは?

 

では、何が日本人をこれほどまで不幸にさせてしまっているのか?
私は今の経済優先の社会システムと和をもって尊しとする日本人のお人よしさがマッチしていないのではないかなーと思っています。

みんながよりよい生活になるよう国民一丸となって頑張っていた高度経済成長期は日本人のポテンシャルを最大限に引き出しました。
まさに和をもって尊しです。

みんなで困難を乗り切っていこうぜって感じですね。

一方、不景気になり終身雇用制度も崩れ、個人の力により力点が置かれるようになった今の社会では日本人の全体としてのポテンシャルは抑え込まれてしまったように感じます。

結局、ひとりひとりが明確な目標もなく何のために働いているかが分からない。
極論を言えば今の日本のシステムでは個人の存在意義を見いだせていけないのだと思います。

食べるためには働かなきゃって感じですかね。

2.日本における社会システムの崩壊

 

仕事だけではありません。
ひと昔前までは地域がコミュニティとしての役割を持っていました。
地域全体がひとつの共同体として健全に作用していたのです。
まさに和をもって尊しです。

しかし、いつのころか、隣人の顔すらもわからないような殺伐とした社会に突入していきました。
この環境の変化は、終身雇用制度が崩壊した時期と重なります。

このような状況下では、物質的に豊かになっても精神状態は予想がつきます。
人間は一人では生きていけません。
にも関わらず、周りが敵か味方かもわからない状態では気苦労が増す一方です。

とはいえ、長い年月をかけて変化してきたシステムをもとに戻すことは難しいでしょう。

では、どうすればいいのか?私は私たち一人一人の意識を変えていくしかないと思います。
私たちの生活環境を見直し、どのように幸福度を上げて行くかをしっかりと考えることが大切だと考えています。

そのためには、私たちが持っている従来の考え方や価値観を今一度、取捨選択していく必要があります。
そして、これからの時代に合わせた上で、幸福度を上げて行くために、キャパシティを広げていく事が大切だと思います。

Ⅱ.アドラー心理学における幸福度

 

アドラー心理学では「人は共同体の中で自分の存在価値を感じ続けるために生きている」と考えています。
アドラー心理学について詳しくは下記の記事をご覧ください。

【アドラー心理学入門】人を必ず成功に導く21世紀の劇薬アドラー心理学とは?

一方、アドラーは「人間の悩みはすべて人間関係にある」とも言っています。
人は共同体の中で自分の存在価値を感じ続けるために生きているのに、その人間の悩みはすべて人間関係にあるのです。
この相反する心理を持つ人間が幸福になるためには、「共同体感覚」を持つことが大切だとアドラーは考えました。

「共同体感覚」とはこれら一見矛盾する価値観の中で人がしあわせに生きるために必要となる感覚です。
簡単に言えば、和をもって尊しとなす日本のよき文化そのものです。
協和、協調を重んじることこそが人が共同体の中でしあわせに生きていける方法だということです。

日本人の幸福度が低いのは、長い間機能していた終身雇用制度や、地域のコミュニティがある時をさかいに急激にしぼんで行ってしまったからだと私は考えています。
和をもって尊しとなす日本の古き良き文化が崩れていったことで、私たちは共同体感覚を感じにくくなってきたのではないでしょうか。

もしかしたら、アドラー心理学の共同体感覚には日本人の幸福度を上げるヒントが隠されているのかも知れません。
なので、もう少し共同体感覚について詳しく掘り下げていきますね。

1.共同体感覚

 

共同体感覚には大きく分けて3つがあります。

  • 他者信頼
  • 他者貢献
  • 自己受容

上記3つそれぞれが相互的に作用しています。

1-1.他者信頼

 

人は他者を信頼することが出来るからこそ、他者貢献につながっていくのです。
他者を無条件で信頼するからこそ、他者からも信頼をされていくということですね。ここでいう信頼とはお金や物など条件付きの信頼ではありません。
無条件で他者を信頼することこそが、だれからも信頼される道につながるのです。
他者を信頼することで、共同体のもととなる輪が広がっていく感じですね。

1-2.他者貢献

他者貢献とは他者に貢献することです。
アドラー心理学では人が共同体で生活する上で最大の不幸は孤独感だと言っています。
逆に最大のしあわせとはみんなに必要とされることだと伝えています。
他者に貢献するということは、人から必要とされる人材になるということです。
だからこそ、他者貢献をすることで人の幸福度は上がるのです。

1-3.自己受容

 

自己受容とは自分自身に価値があるとしっかりと認識することを指します。
他者を信頼し、他者に貢献することで人の幸福度はあがります。
そして、その満たされた気持ちがあって初めて人は自分の長所も短所も合わせて自分を受け入れることが出来るようになります。
ありのままの自分でいいのだという安心感につながります。
背伸びをした自分ではなくても価値があるのだという気持ちが持てるのです。

下記の記事では自己受容についてより掘り下げてお伝えしております。
自己受容について深く知りたい方はご参考下さい。
当ブログおすすめの記事になります。

効率的に自分を変えたいなら知らなければいけない2つの真実

2.私的理論で生きる弊害

 

共同体感覚とは真逆に属するのが私的理論です。
これは自分さえよければいいという考え方です。
おおげさに言ってしまえば、自分一人がしあわせならほかの全ての人が不幸でもいいという利己的な考え方ですね。

このような考え方では幸福度をあげることは出来ません。
しかし、地域のコミュニティーの崩壊や、終身雇用制度の崩壊を経験した日本人は私的理論で生きる人たちが増えてきているような気がします。
この項目ではどうして私的理論では幸福度を上げることが出来ないのかを共同体感覚の視点からお伝えしていきます。

2-1.他者信頼できない

 

私的理論で動く人たちは他者を信頼することが苦手です。
条件付きの関係でないと人を信頼することが出来ません。
自分以外の人は競争相手であり、自分の足を引っ張るかも知れない人間かもしれないという疑心感を常に持っているからでしょう。
なにかを握らせておかないと人はいつ裏切るか分からないという疑心暗鬼な目で人と接してしまうのが代表的な特徴です。

2-2.他者貢献できない

 

私的理論で動く人たちは他者に貢献することが出来ません。
お金や物、地位や名誉が絡まない状況下では一切他者貢献をしません
理由は自分にメリットがないと感じているからです。
自分にメリットがなければ人に貢献しても無駄だという意識では、本当の意味で人から必要とされることはないですよね。

そのため、絶えず孤独感を持っているのです。

2-3.自己受容できない

 

周囲は自分を脅かすかもしれない競争相手や、ライバルばかり。
自分をしたってくれる人も頼りにしてくれる人もいない状態では、いくらお金があったとしても、地位や肩書があったとしても幸福度は低いですよね。
このような状態では、自分の弱みも含めたすべてを受け入れるということは出来ません。
弱い自分を隠し続けるために自分の労力を最大限に使い続けてしまいます。

3.共同体感覚を身に付けるには

 

ここまでは共同体感覚を身に付けることが幸福度を上げるための唯一の方法だという事をお伝えしてきました。
ここでは幸福度を上がる共同体感覚を身に付けるにはどのようにしていったらよいかを見ていきましょう。

3-1.共同体の定義

 

私たちが所属している共同体とはどのようなものでしょうか?
サラリーマンの方であれば会社が思いつくでしょう。
学生の方であれば学校かもしれません。
また、家族や友人も共同体として思い浮かぶかもしれませんね。
アドラー心理学ではどこまでが共同体となるのかをまずは見ていきましょう。

アドラー心理学では会社や学校などの組織以外にも共同体を定義しています。
最終的には宇宙までが共同体だと言っているのですが、このような抽象度が高い話にそれてしまうと本質を見失ってしまうので割愛させていただきますね。

今回の記事で定義する共同体とはわかりやすく、最小単位を”社会学での社会の最小単位”「私とあなた」、最大単位を地域やネットのコミュニティとして説明させていただきます。

3-2.共同体に参加する

 

共同体に所属することがまずは基本となってきます。
しかし、共同体に所属しているだけでは共同体感覚を身に付けることは出来ません。
たとえば、学校に所属しているけれども、不登校だとしたらどうでしょう?
学校と言う共同体には属しているけれども、他者信頼、他者貢献、自己受容のどれもが満たされないのはあきらかですよね。

共同体に所属するのはもちろん大切なことです。
しかし、積極的に参加していなければ共同体感覚を体感することは出来ません。
ようするに幸福度が高くなることはないということです。
これは地域のコミュニティでも会社のような組織でも同じことが言えますね。
自らの居場所と感じられる共同体があり、積極的に参加することで初めて共同体感覚を体感出来るのです。

日本の幸福度が低いのは、地域や会社のような組織には所属をしていても、地域のコミュニティの本質や終身雇用が崩れてしまったおかげで、積極的に共同体に参加するという意識がなくなってきたのが原因だと私は考えています。

3-3.課題の分離

 

アドラー心理学では課題の分離を重視しています。
課題の分離とは簡単にいうと人を自分の思い通りに動かそうとしてはいけないということです。
課題の分離が出来ていないと自己中心的な発想をもって人と接してしまうことになるのです。

たとえば、フェイスブックでいいねを押したのに相手が返してくれないからと相手に対して、恨みを持つような人がいたとしましょう。
この人は課題の分離がまったく出来ていない人ですね。自分がいいねを押したから、相手も自分にいいねを押し返さなければいけないと思っているのですから。

フェイスブックのいいねを押すか、押さないかは自分ではなく、相手の課題です。
にもかかわらず、相手が自分が考えたように行動をしないことで目くじらを立てていては、自分も疲れますし、相手にも嫌気をさされてしまうでしょう。

共同体で生活をする上では必ず課題の分離が出来ていることが前提となります。
自己への執着を捨てて、他者への関心に切り替えることが出来てはじめて、他者信頼、他者貢献、自己受容が身につくのだと言えます。
だからこそ、人は人、自分は自分という考えを常に意識しておくことが大切だということですね。

「人の課題には土足で踏み込まない。」

このことを絶えず意識の片隅に入れておくだけで課題の分離は徐々に出来てくるようになるでしょう。

3-3-1.万能感を手に入れてしまった結果

 

高度経済成長期以降、日本が急速に豊かになってから課題の分離が出来る人は明らかに減少しています。
それは、裕福になることと引き換えに、人は万能感を手にしてしまうからです。
万能感とはなんでも自分の思い通りになるという自己中心的な思い込みをさします。

課題の分離が出来ている人が減ってしまったことも、共同体に積極的に参加する人が減ってしまった原因のひとつだと言えるでしょう。
人が自分の思い通りに動いてくれるとは限らない共同体は課題の分離が出来ていない人にとって荷が重い場所だとも言えるからです。

万能感に関しては下記の記事で詳しくお伝えしています。
万能感の手放し方も説明しているので、併せてご覧下さい。

精神的ストレス解消法-心の防衛機能の強化策!

3-4.共同体からはみ出してしまった時

 

自分の所属していた共同体からはみ出してしまい一気に孤独に陥ってしまうという人は多いものです。
定年を迎えたサラリーマンなどは典型的な例と言えるでしょう。
自分が今まで所属していた共同体がなくなることで急に老け込むことはめずらしくありません。

このような場合、会社という共同体から家族という共同体に軸足を移しても幸福度は上がりません。
では、どうすればいいのか?
それはいままで所属していた共同体よりも大きな共同体に所属することです。

たとえば、地域のボランティア活動や、サークル活動などもいいでしょう。会社がいかに大きくても会社の人数=共同体ではありません。
会社の中で主に関わっているグループが共同体だと言えるのです。
その共同体よりも大きな共同体に属することに意識を向けて積極的に参加していけば孤独感はいつの間にか消えていってしまうものです。

Ⅲ.幸福度を上げるためには共同体に積極的に参加する

 

人の課題には土足で立ち入らないと心に決められたら、幸福度を上げるために共同体に積極的に参加することが必用です。
この項目では、どのような共同体があるのかについてお伝えさせていただきますね。

1.ブログやソーシャルネットワーク

 

ブログやソーシャルネットワークは人と人がつながるネットワークにおける共同体です。
人の役に立つ内容をブログやソーシャルネットワークに書くことで他者信頼や他者貢献が出来ます。
信頼していなければ情報を発信するなんてできませんし、役に立つと思っている内容を書くことで誰かしらには貢献出来ているはずですしね。

そして、徐々にフィードバックが得られると、自己受容にもつながります。
ありがとうという言葉は自己受容を最大限に高めてくれる魔法の言葉です。
ネットを活用することでそういう言葉をもらう機会は数多くあります。

ネットワークに共同体を持つことは2つの大きなメリットがあります。
ひとつ目は誰でも簡単に出来ること。
2つ目はより大きな共同体だということです。

関係を広げていくまでにはある程度の時間はかかりますが、おすすめの方法です。
ただ、課題の分離をしっかる出来ているという前提条件があってこそです。

2.習い事

 

習い事は主に自分の趣味や勉強したい内容がベストでしょう。
興味や関心のある習い事には自分と似た思考の人たちが所属しているものです。
このような人たちとは根底となる知識を共有しているため、とても短時間で関係を築くことが出来るといえるでしょう。

私の場合はコーチングコミュニティのCTIという所に所属しておりますが、とても楽しく充実しています。
毎回新しいつながりが出来ますし、初対面の人とでもバックボーンが同じため、とても早く関係を構築することが出来るから最高に楽しいですね。

信頼できる人たちと、お互い無償で貢献しあうことで得られるものは、自己受容と大きな幸福度です。
自分のライフワークになるべきところがあるとそれだけで人生の幸福度ははるかに大きくなると思います。

3.ボランティア

 

地域の清掃や、募金活動、NPOなどご自身で興味のあるボランティア活動も立派な共同体です。
ボランティア活動は所属するだけですでに他者信頼、他者貢献、自己受容が出来るところです。
はじめから他者へ貢献をすることが目的なのですから当然と言えば当然ですが。

自分から積極的に話しかけていくことが苦手な人はまずはボランティア活動に参加するということをお勧めします。
ボランティア活動では自分から関係を築いていくよりも、ボランティア活動が柱となります。通常の共同体に参加するよりも話しかけるという意味では敷居が低いというメリットがあります。

まとめ

 

今回は日本人の幸福度の低さを題材に、どのように幸福度を上げて行くかについて、アドラー心理学を土台として説明させていただきました。
共同体感覚を身に付けることで幸福度は確実にあがります。
そのためには、自分から積極的に共同体に参加をしていく必要があるということをお伝えさせていただきました。

ただし、共同体に参加するためには最低限課題の分離が出来ている必要があります。
そして、課題の分離を意識的に行うには「人の課題には土足で踏み込まない」と自分自身に言い聞かせる必要があるということでしたね。

この意識を持ち続けるだけでも、おのずと課題の分離は出来てくるでしょう。
最も有効な方法は絶えず目につくところに「人の課題には土足で踏み込まない」というキャッチフレーズを張り付けていくことです。

日本人の幸福度を上げて本当の意味で幸福度の高い国家となるには、私たち日本人ひとりひとりが社会の変化を自覚しつつその上で幸福になる道を追求していく必要があるでしょう。
アドラー心理学をベースとしていけば自然と幸福度の高い人生を歩んでいけるでしょう。

参考文献

嫌われる勇気 岸見一郎 古賀史建 ダイヤモンド社

エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン かんき出版

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    ABOUTこの記事をかいた人

    私は若い頃は、人に嫌われる事を避け続け、自分を押し殺してまで人に合わせて生きていました。
    でも、自分の価値観を押し殺すほど、自分の存在価値が分からなくなっていった時にコーチングに出会い、「自分らしく生きてもいいんだ」という許可を自分に出せるようになりました。
    現在は月間10万PVの自己実現ラボを運営しています。

    より詳しくはプロフィルをご覧下さい。



    □国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
    □米国CTI認定資格 Certified Professional Co-Active Coach(CPCC)
    □著書4冊