日々の仕事に忙殺されたり、クソみたいな上司にこき使われたり、やけ酒を浴びるように飲んだり、スマホやSNSから離れられなかったりと現代人の多くはまるでストレスの多重債務者のような状況に陥っています。
特にビジネスパーソンとして活動する30代の方にとってストレスやプレッシャーとの向き合い方は一層重要になっていく事でしょう。
今回の記事ではマインドフルネスというツールを活用して心の平穏を手に入れ、あなたの思考や行動を制限しているストレスから解放される方法をお伝えしていきますね。
多くのマインドフルネスはその人の体感ベースで語られる事が多いため今回の記事では趣向を変えて脳の機能的変化に重点を置いてお話しさせて頂きます。
ちなみに僕は人生で4000時間以上の瞑想経験を持つガチな瞑想人間ですので体感的な話もちょくちょく交えて行きますね。
- ストレスが多い30代のビジネスパーソン
- 自己成長のためのツールを身につけたい方
- ストレスから解放されたい全ての方
マインドフルネスと瞑想の違い
マインドフルネスと瞑想というのは似ているようで実は別の事をさしている言葉なんです。
マインドフルネスとは瞑想や呼吸法を通して今この瞬間に焦点を当て、物事に対して無評価で開かれた態度を持つことを目指す状態を指します。
一方、瞑想とはマインドフルネスな状態になるための手段の一つです。
マインドフル瞑想とはマインドフルネスな状態になるための瞑想という事を指します。
では、なぜマインドフルネスな状態になる事がストレスから解放されるのに大きく役立つのでしょうか?それは人は今この瞬間に意識を向けている時は不安や悩みといった感情に客観的に向き合うことが出来るようになるからです。
クソ以下の上司の例
例えばあなたが会社のクソ以下の上司にむかついてイライラしている状況を思い描いてみて下さい。「あのクソ野郎が」「早く死にやがれ」「ぶちのめしてやりたい」
このような気持ちがひっきりなしに湧き出てくる状態をあなたも経験したことがあるでしょう。
これが思考に無意識に支配されている状態なんです。
瞑想や呼吸法を通してマインドフルネスな状態に意識になると、今この瞬間に意識を向けるため自分が思考している状態に客観的に気づくことが出来るんですね。
- 自分は「あのクソ野郎が」と思っているんだな
- 自分は「早く死にやがれ」と思っているんだな
- 自分は「ぶちのめしてやりたい」と思っているんだな
と・・・
自らの思考に気付くということ
脳は通常モードでは壊れたラジオのように思考が垂れ流し状態になっているんですね。
頭の中で聴いてもいないラジオが四六時中流れていて無意識のうちに影響を受け、結果として心が疲弊していく一連の流れが思考に憑りつかれている状態です。
一方、頭の中の思考に客観的に気づいていく状態がマインドフルネスという事です。
きっと思考に気づくだけで何の意味があるの?とあなたは思っているのではないでしょうか?
実際意味はおおありです。
逆に意識的に自分の思考に気付くことが出来れば自分の感情と思考を客観的に分離できるため感情が思考に支配されにくい状態になっていくんです。
実際僕自身が瞑想を始めたきっかけは結婚している人に片思いをしてあまりにも辛すぎる状態から抜け出したいとの思いからだったんですよね。瞑想を通じてマインドフルネスな状態を保ち続けられるようになってからは自分を支配していた感情が明らかに小さくなっていったんです。
そのほかにも嫌な人間に出会った時や詐欺に騙された時もマインドフルネスな状態を意識的に保てたことで驚くほど感情のさざ波が消えて行くようになったんです。
ここまでが僕個人の主観的なお話し。
詳しくは下記の動画にてめちゃくちゃ語っているので興味のある方はご覧ください。
当時の僕はなぜこんなにも感情が変化するのか?について自分の主観からでしか分からなかったため徹底的に調べて行ったんですね。そうするとマインドフルネスな状態になればなるほど脳が構造的に変化していく事が分かって来たんです。
偏桃体の舞台裏を知る
マインドフルネスの効果の一翼を担うのが、脳の中でも特に注目されている偏桃体です。偏桃体は脳の前頭葉の内側、海馬のやや前方に位置するアーモンド状の器官で1.5~2センチほどの小さな部位なんですがその機能は群を抜いています。
偏桃体は感情と深く関わり、特にストレスや恐怖の処理に関与しています。科学的な研究によれば、マインドフルネスの実践は偏桃体の活動を変化させストレスの対処能力を向上させてくれるのです。
マインドフルネス瞑想を続ける事で脳の偏桃体は小さくなる可能性が高いことが知られています。偏桃体が小さくなるとストレスホルモンが生じにくくなり、落ち着いて冷静に物事が判断できるようになるとされています。
脳の構造上外側にあるほど進化の過程で大きくなっていった新しい部位、内側ほど古い部位となっています。知性や知能は外側の脳が出来てから人間にそなわっていったもので、人間が知性や知能を身に着ける前のもっとも太古からある脳の部位こそが偏桃体なんです。
原始の時代にもっとも重要だったのは知性や知能ではありません。より早く危険を察知するためにストレスに敏感な機能が必要だったのです。サバンナの肉食動物に食べられないためにも危機察知反応は高ければ高いほど人類の種の繁栄という意味では最善だったんです。そのため偏桃体は人間が古来より持っているストレス反応センサーといった所でしょうか。
感情の中心地といってもいい偏桃体ですが、野生動物に襲われる危険性もない現代人には過剰な警報機になっているものでもあるんです。
火災報知器の感度が高すぎるとちょっと煙が出ただけですぐに警報音がなったりしますよね。偏桃体の感度が高すぎるというのはちょっとしたことでもストレス反応が鳴り響いてしまうんです。
偏桃体との相互作用
偏桃体が感情の中心地帯であるならば、マインドフルネスがどのようにしてその影響を及ぼすのでしょうか?
研究によれば、マインドフルネスは偏桃体の過剰な活動を抑制し、冷静な判断や感情の調整に寄与します。また、この実践が他の脳の領域との相互作用を促進し、よりバランスのとれた精神状態へと導くことが期待されています。
今回の記事では偏桃体とマインドフルネスの関連性についてお伝えしていますが、偏桃体と相互作用をもたらす脳の各部位への反応に関して詳しく知りたい方は下記の記事もご参照下さい。
自己成長への一歩
マインドフルネス瞑想を通して偏桃体の舞台裏を知ることで、ビジネスパーソンのあなたは自己成長の新たな可能性を見いだすでしょう。ストレスの少ない心の状態は、集中力の向上や柔軟な問題解決能力の向上など、ビジネスにおいても大きなプラスとなります。
僕自身、自分の主観的な変化だけではマインドフルネス瞑想の効果なのか個人の意識の変化なのかを具体的に理解できていなかったと思います。今は脳機能が構造から変化する事を理解しているためマインドフルネスが自分自身に与える変化に対して確固たる自信があります。
この自身がある影響でストレスの波に飲み込まれおぼれそうになった時にでもすぐに海面に浮上してくることが可能となったんですよね。
マインドフルネスな状態を維持する事、そのためのマインドフル瞑想は今の僕自身にとってかけがえのない最上のツールのひとつであると言えます。自己成長を目指すならばはじめの一歩としてマインドフルネスを習得していく事がなによりだと今では考えています。
結びつけて実践する
ここまでの理論を実践に結びつけるために、簡単なマインドフルネス瞑想の手法をご紹介します。毎日の習慣として取り入れやすいものから、特定の状況において実践できるものまで、自分に合った方法を見つけてみましょう。
下記の記事ではこれまでのブログでマインドフルネス瞑想の手法に対して書いてきたまとめ記事になります。マインドフルネス瞑想を実践していきたいという方はぜひご覧いただければと思います。
僕自身4年間朝晩1時間づつ瞑想を行っていた修行僧レベルの瞑想人間なので今後も瞑想で得た知見の記事を作成していきますのでぜひブックマークへのご登録をお願いいたします。
1時間の瞑想を5分くらいに感じた事や、宇宙と一体化した体験、上下左右を認識できないほどの無重力空間を味わった事。おそらく出産に匹敵するであろう喜びと幸福感に満たされたこと。数え上げればきりがないほど瞑想で得た不思議な体験があります。
それだけではなく、深い悲しみや底なしの絶望の時でも瞑想を行うことで気持ちが浮上していったこと。瞑想のおかげで人生におけるストレスの影響がかぎりないほど小さくなってきている恩恵を得ています。
本業のコーチングでも効果を発揮できているのも儲けものです。声にならない声を洞察力が劇的に高まる事で以前の数十倍規模にまで拡大して拾えることが出来ています。
それもこれも瞑想を習慣化出来た事が大きな転換点だったと思っています。
とはいえ、1日朝晩1時間は振り返ってみてもクレイジーな4年間だったなと思うのでここまでする必要はないと思います。
下記の研究論文によれば1日15分の瞑想を8週間続けただけで脳の灰白質が増大していることが報告されています。前頭葉は小さくなることでストレスの反応が小さくなりますが、灰白質は大きくなることで感情の調整や認知機能の向上などに関与しているため脳にとってプラスになる事だらけです。
研究論文:
タイトル: “The underlying anatomical correlates of long-term meditation: Larger hippocampal and frontal volumes of gray matter”(長期瞑想の基盤となる解剖学的相関: 大きな海馬と灰白質の前頭葉のボリューム)
著者: Sara W. Lazar, Catherine E. Kerr, et al.
発表年: 2005年
掲載先: NeuroImage, Volume 45, Issue 3, Pages 672-678
まずはこの記事を機に1日15分の瞑想を習慣化してみてはいかがでしょうか?
マインドフルネス瞑想の鍵:偏桃体と心の平穏 まとめ
マインドフルネスは、科学的な研究を通じても裏付けられ、特に脳の偏桃体の活動の調整や他の脳領域との相互作用を通して、心の平穏をもたらすことが示唆されています。これがビジネスパーソンにとってどのようなメリットをもたらすのか、以下に具体的にまとめてみましょう。
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ストレス軽減と冷静な判断力の向上: マインドフルネスは、偏桃体の活動を抑制し、ストレスに対する抵抗力を高めることが研究によって示唆されています。これにより、ビジネスパーソンはプレッシャーや課題に対して冷静な判断力を維持しやすくなります。
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感情の調整とチームワークの向上: マインドフルネスが感情の調整に寄与することで、ビジネス環境でのコミュニケーションや協力が円滑になります。感情の安定は、チームワークやリーダーシップの質を向上させる重要な要素です。
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注意力と集中力の向上: マインドフルネス実践が脳の柔軟性を高め、注意力や集中力を向上させることが期待されます。これは業務やプロジェクトにおいて、より効果的な作業や問題解決に繋がります。
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自己成長とイノベーションの促進: マインドフルネスは個々の成長を支援し、新しいアイディアやイノベーションの芽生えを助けることがあります。柔軟性のある思考と創造性は、ビジネスの発展において重要な要素です。
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ワークライフバランスの向上: 日常の瞑想やマインドフルネス実践は、仕事とプライベートのバランスを保つのに役立ちます。これがストレスの軽減に繋がり、より充実した人生を築く手助けとなります。
ビジネスパーソンとしての日常生活にマインドフルネスを取り入れることで、これらの利点が現れ、より健康で効果的な働き方が実現するでしょう。
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