フロー体験とはハンガリー出身のアメリカの心理学者であるチクセントミハイ博士が提唱した概念です。
あなたは時間も感覚も忘れてひとつの物事に没頭した経験があるならば、その感覚こそがフロー体験です。
フロー体験の面白いことろは人はひとつの事に没頭しながら幸福感を感じている所にあります。
博士はこのフロー体験という感覚をだれでも引き出す事が出来るように日々フロー体験の再現性の高い引き出した方を研究しています。
もしも、あなたがフロー体験を自在に引き出し、仕事や勉強に活かせたらどう思いますか?
きっと、あなたの潜在能力はフルに引き出されて行ってしまうのではないでしょうか?
ちなみに私は仕事やブログを書く時にフロー体験を味方につけて作業をしています。いつも引き出せるレベルではありませんが、引き出せる確率は徐々に上がって来ました。
本日の記事ではチクセントミハイ博士のフロー体験の概念をお伝えしてから、実際に私が日々の生活で取り入れているフロー体験の引き出し方についてお伝えして行きますね。
Ⅰ.チクセントミハイ博士が伝えるフロー体験に至る4つの過程
フロー体験とは「今この瞬間」に取り組んでいる作業に心理的に100%没頭している状態を指します。チクセントミハイ博士はこの状態になるには4つの過程があると伝えています。
その4つの過程とは
- 自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる
- 対象への自己統制感がある
- 直接的なフィードバックがある
- 集中を妨げる外乱がシャットアウトされている
それぞれ具体的に観て行きましょう。
1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる
これは自分の能力に対してあまりにも簡単な作業に取り組んでいても、逆にハードルの高すぎる事をしていてもフロー体験には達せませんよという事です。
簡単な事をやり続けていてもそれは作業になって退屈してしまいますし、難しすぎる事に取り組んでも心が折れて挫折してしまってはフロー体験に至る事は出来ません。
今のあなたにとって適切な難易度の作業をする事がフロー体験をしていくための第一歩なんです。
2.対象への自己統制感がある
作業を自分で制御しているという感覚を持っている事がフロー体験をするための次のステップです。簡単に言うと自らの意思で積極的にやっている作業はフロー体験に通ずるという事です。逆にやらされている作業ではフロー体験に至らないという事ですね。
内発的動機で作業に取り組むのか、外発的動機で作業に取り組むのかの違いでフロー体験に進めるかどうかが分かれてくるんです。
3.直接的なフィードバックがある
チクセントミハイ博士はフロー体験するには直接的なフィードバックが必要不可欠だと説いています。
これは私自身とても納得する所です。ブログを書くということは中々に大変な作業ないです。日々、新しいネタを見つけ、読んでもらえるように構成を考え、練りに練って記事を後悔すると。。。
もしも、ブログを後悔してまったくフィードバックがなかったとしたら、おそらく世の中の人の大半はブログを更新することはなくなってしまうでしょう。
それほど、私らブログを書くものにとってフィードバックというのは書く意欲につながっています。
同じくどのような作業でも人のフィードバックがない作業であれば意欲は続かずにフロー体験に至る事はないのでしょう。
4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている
現代社会は集中を妨げる外乱だらけです。スマホにインターネット、無料で聞ける音楽や動画などただでも時間を潰せる娯楽が溢れかえっています。
そういう環境下に身を置いていると集中力が維持できずにフロー体験が出来ないのは当然と言えば当然ですね。
集中を妨げる外乱がシャットアウトされた環境を作り上げる事がフロー体験をする上で絶対条件なのです。
Ⅱ.チクセントミハイ博士が語るフロー体験を実現している人たちの7つの共通点
下記の動画はフロー体験についてチクセントミハイ博士がTEDで公演している内容になっています。この動画でチクセントミハイ博士は世界中の研究者たちと8000回以上の研究を行ってきた中で、フロー体験を日々の生活で実現している人たちの7つの共通点について語っていました。
7つの共通点とは下記になります。
- 時間の経過とともに常に自分が何をしたいか分かっている
- ただちにフィードハックが得られる
- 何をする必要があるか分かっている
- それが難しくても可能
- 時間の感覚が消失すること
- 自分自身のことを忘れてしまうこと
- 自分はもっと大きな何かの一部であると感じる事
Ⅰ章のフロー体験に至る4つの過程と重なっている部分もありますが、この7つの共通点をどれくらい自分の作業で感じた事があるかを計測する事が大切だと動画では語っていました。
私の場合、ブログを書く事がフロー体験につながる事が多いのでその経験からお話をさせて頂きますね。
1から3について
まず、1から3は要約すると目的がしっかりとあり、フィードバックがあるという事ですね。私の場合、ブログを通して自らのコーチとしての発信力を高める事。また、将来書籍を出版するための日々のアウトプットという目的をもっています。また、ブログは毎日フィードバックをデータとしてもらえています。
4について
そして4はそれが難しくても可能という事ですね。Ⅰ章のフロー体験に至る4つの過程にあった「自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる」と4の「それが難しくても可能」を私は同一視しています。
自分にとって少しばかりハードルが高い事が私にとっては適切な難易度のものとして捉えているという事ですね。
それが私にとってはブログを日々更新していく事でした。もちろん、毎日ではありませんが、仕事の傍らにブログを更新し続けるのは私にとって少しばかりハードルの高い事なんですよね。
しかし、自分にとってハードルの高い事を意図的にやり続けているおかげでフロー体験に入りやすい状態を作れていると実感しています。
ちなみにここまでの文章をノンストップで書いておおよそ1時間ほどです。今振り返ってみてフロー体験中だったなと実感しました。
5から7について
5から7について要約すると忘我の状態に入ったことがあるか?と大きな何かの1部であるという感覚を感じた事があるか?という事ですね。
忘我の状態とはちょうどさっきまでの私の時間も感覚も忘れている状態です。また、大きな何かの1部であるという感覚は、動画の中で博士が音楽家が頭の中で音楽が降って来た感覚に近いと言っています。
まるで、自分以外の何者かが音楽を作ってくれたような感覚を音楽家なら誰しもが持った事があるそうです。
私は音楽家ではわかりませんが、ブログの記事を書く時はそんな感じです。あらかじめ何を書こうと決めている時とはまったく違う記事が出来たりする事があります。
今日もそんな感じです。無意識が勝手に記事を書いてくれているかのような感覚です。勝手に表現されていて、私自身は無意識の声をキーボードに打って行く係みたいになっています(笑)Ⅲ.私がフロー体験に入るために意識的に行っている方法
この章では私がフロー体験に入るために意識的に取り入れている方法をお伝えさせて頂きます。これらの事を取り入れてからフロー体験に入る確率が飛躍的に上がってきました。
1.瞑想
瞑想は私にとってフロー体験に入るために最も重要な習慣です。瞑想はフロー体験に至る4つの過程がすべて入っています。人からのフィードバックは得られませんが、身体の変化としてフィードバックを得られるので結果的にすべて満たしています。
毎日繰り返しフロー体験をする事で日増しにフロー体験出来る時間も増えていますし、質も向上しています。
2.集中ルーム
私は集中を妨げる外乱がシャットアウトするために集中力ルームを設けています。作業するものだけしかない部屋です。意識的に外乱をシャットアウトする事で集中できる環境を自ら作ってしまいます。そうする事で、集中を妨げる心の乱れがなくなり快適に仕事がはかどるようにしています。
3.シングルタスク
先ほど紹介した動画でチクセントミハイ博士は人は1秒間で100ビット以上の情報処理が出来ないとおっしゃっていました。ようは、人の脳は同時に複数の事を処理する事が出来ないように出来ているのです。
マルチタスクは仕事の生産性をあげるイメージがありますが、近年の研究ではマルチタスクをする事で脳のパフォーマンスは80~95%低下する傾向がある事が証明されています。
よって、私は作業を行う時は必ずひとつの作業に絞って行います。当然、ブログを書いている時はブログだけに集中しているといった感じです。
4.意志力を使いこなす
集中力を生み出す元となるのは意志力です。この意志力は使えば使うほど鍛えて行く事が出来る性質を持っているのです。また、意志力は無駄遣いを避ける事で本命の事に費やす事も出来るのです。
私は意志力を鍛えるために瞑想を行い、意志力の無駄遣いを減らすために集中力ルームやシングルタスクを行っています。すべては意志力の力を使いこなすためです。
意志力の性質については下記の記事をご覧下さい。
5.習慣化
私は習慣を制すものは人生を制すという持論を持っています。
意志力は物事の選択により消費されてしまう性質をもっています。習慣化する事で不要な選択を極限まで減らして行く事が出来るため、意志力の消耗を減らしていく事が出来るのです。
私は起床時間から日々の作業時間、睡眠時間までを習慣化しています。何時になったらなにをするという事が決まっているので、物事の選択が減少している為、意志力の無駄遣いを減らせています。
6.締め切りを設ける
締め切りを設けるのもフロー体験に入る手助けをしてくれています。締め切りを設ける事でリミットが迫ってきている追われている感を感じると、余計な事に意識が向かわずに針の穴を通すような集中力が発揮されてくるので、私は作業には締め切りを設けて火事場の馬鹿力を味方につけるようにしています。
締め切りの具体的な作り方や効果については下記の記事にて詳しく書かれているのでご参照下さい。
7.あなたにあったやり方を取り入れる
私自身ここまでは自分の試行錯誤で見つけて来ました。人から聞いて取り入れて見たけれども自分に合わなかったやり方も山ほどあります。
今回ご紹介した中であなたに合う方法があれば取り入れてみて下さい。もし、あう方法がなければあなた独自のフロー体験に通ずる方法を探し出されてみて下さい。
まとめ チクセントミハイ博士が伝えるフロー体験に入る7つの共通点
いかがでしたか?
フロー体験はやり方さえ確立してしまえばそこまで入る事は難しくありません。私の場合すべての事がフロー状態になるわけではありませんが、日々の生活を便利にするくらいにはフロー状態に入れていると思います。
ただ、それは何か特殊な能力があるからとかではなく、やり方を知ってその方法を使いこなすために試行錯誤しているからです。
なので、フロー体験は当然あなたも正しいやり方さえ確立できれば、結構簡単に引き出して行く事が出来ると思います。
今回の記事をきっかけとしてあなたがフロー体験を味方につける何かを掴んでいただてたら嬉しく思います。
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