睡眠不足を吹っ飛ばせ!質の高い睡眠をとるための11の方法

寝不足 ストレス解消法

私たち現代人にとって睡眠不足は最も身近な脅威です。慢性的に睡眠不足の人は、そうでない人と比べて心身症、うつ、ストレス病の発症率が高いことが様々なデータで分かっています。刺激物で無理やり眠気を取り去ることを習慣としていても同じです。寝不足がたたり、次第に心身を蝕んで行きます。

ハーバード・ビジネス・レビュー誌は「睡眠不足は企業リスクである」という記事を出し、睡眠不足がパフォーマンス低下をもたらす事実を紹介している。記事を書いたのはハーバード・メディカルスクール教授のチャールズ・A・ツァイスラー。彼は睡眠不足を酒の飲み過ぎになぞらえ、1日の徹夜や1週間の4~5時間睡眠によって「血中アルコール濃度0.1%分に相当する機能低下」が起こると説明する。

エッセンシャル思考より引用

上記の引用からも分かる通り、睡眠不足は確実に私たちに悪影響をもたらしていきます。だからこそ、日ごろから質の高い睡眠を心掛け、睡眠不足という脅威を取り除いていくことが大切なのです。今回の記事では質の高い睡眠を行う上で必要な事を紹介させていただきます。

質の高い睡眠をとり、ぐっすりと眠るには睡眠に対して意識的に改善していくことが大切です。

この記事を書いた人

こんにちは、自己実現ラボの坪井一真です。私は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)資格を持つプロのコーチとしてビジネスパーソンやアスリートのコーチングに従事しています。

また、1日10時間の瞑想を10日間、誰とも話さずに行うヴィパッサナー瞑想を5回も経験し、個人的な瞑想時間は累計で4000時間以上

これらの経験から得た知識や洞察を基に、自己実現ラボではセルフアップデートをメインテーマに、読者がその日から変化できる内容をお届けしていきます。
□シードコミュニケーションズ株式会社代表
□国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
□米国CTI認定CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)

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1.不安の原因に対して備える

ファイザー製薬が2011年9月3日「睡眠の日」に行った、全国4000名を対象にした「睡眠に関する意識調査」にて下記のデータが得られました。

不安で寝つけない人の半数が、具体的な解決策をとっていない

「最近、あなたは不安で寝付けないことがありますか」と尋ねると、32.6%が、「ある/どちらかといえばある」と回答しました。そこで、「睡眠に関する悩みを解消するため、最近行っていることはありますか」と質問したところ、“最近、不安で寝付けないことがある”人の48.5%が、「特に行っていることはない」と回答しました。

不安で寝付けない状況にあっても、約半数が改善のために具体的な行動を行っていないことがわかりました。

質の高い睡眠を妨げている最も高い要因がストレスによる睡眠不足です。会社での人間関係や将来の不安、または天変地異などの恐怖を考えすぎてしまい、眠ることが出来なくなってしまう人は多いのです。この場合、ストレスの原因をしっかりと理解していることが、重要です。

自分のストレスの原因を自覚していれば、その原因に対して備えをするだけでも安心感につながります。質の高い睡眠を取るには不安感を取り除くことが何よりも大切です。そのためにも、自分自身のストレスの原因を把握し、ストレスの原因に対して備えることが大事になってくるのです。

例えば、地震に対して不安感を持っている人を考えて見ましょう。地震が怖くて夜に寝付けなくなってしまう人は、ちょっとした地震対策を行うだけでも不安感が解消してくる事が多いのです。同じように、不安を感じていることに対してちょっとした備えをするだけでも質の高い睡眠が出来るようになってきます。

2.友人や知人など、同じ不安感を持つ人と話をする

「不安の原因に対して備える」では、不安の原因に対して備えることが目的でした。簡単に言えば、備えあれば憂いなしを実行することで、質の高い睡眠へとつなげるわけです。

一方、同じ不安感を持つ人と話をするのは原因に対してのアプローチではありません。不安を一人で考え込んでしまうと、より不安感が大きくなってしまい、結果として質の高い睡眠をとることが出来なくなってしまいます。同じ境遇の人と話をすることで、自分ひとりで考えて不安感を無駄に大きくしてしまうことを避けることが出来ます。

また、自らが抱える不安感を共有することで、ストレス発散にもつながり、抱え込んでいた不安感が軽減していく効果もあります。

不安感が軽減することで質の高い睡眠につながる下地が出来てくるのです。

3.睡眠日誌をつける

睡眠日誌とは自分の日々の睡眠におけるデータを日誌として記録していくことです。

眠りに入る1~2時間前はどのような行動をとっていたか?ベッドに入ってから何分ほどで入眠したか?夜中に何回ほど目が覚めたか?朝の寝起きの状況はどうか?何時間ほど寝たか?日中の活動中に眠気を感じたか?など睡眠におけるデータを日誌に書いていきます。

これを1~2か月ほど続けていくと自分自身の睡眠時におけるパターンが出来ていることがわかってきます。パターンを理解したらどこを改善していくことが質の高い睡眠を得る上で重要なのか、改善策を見つけることが出来るかもしれません。

4.毎日、同じ時刻に起床する

質の高い睡眠は規則正しい睡眠リズムによって得られます。毎朝決まった時刻に起きることで、規則正しい睡眠リズムの土台をつくることが出来てきます。例えば、毎朝6時に起きることを日課としていれば、夜の2時、3時まで起きていることは出来ないでしょう。

起きる時間帯を規則正しくすることで、睡眠のリズムを崩さないことが出来るのです。だからこそ、休日の日だからといって、寝ダメをすることはお勧めできません。折角の睡眠リズムが崩れてしまい、平日に支障をきたしてしまう可能性が高まってしまうからです。

常に規則正しい時間に起きることを習慣化してみて下さい。

5.就寝前の入眠儀式をつくる

心身医学専門医の野崎京子先生は、寝る前に決まった行動を習慣づけると睡眠が誘発されることが統計的に分かっているのだと言います。これは当然のことです。理由は、寝る前の行動がアンカリングを形成しているからです。

寝る前に特定の行動を習慣化することで、その行動が引き金となり、脳から睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されて来るのです。

この章では交感神経を休ませ、リラックスしている時に優位になる副交感神経を引き出し、気持ちよく寝る方法をお伝えさせていただきますね。

では、就寝前の入眠儀式において8つの効果的な方法を紹介します。

①.ぬるま湯のお風呂に入る

寝る前に37~39℃のぬるま湯のお風呂に入ることで、副交感神経が優位になり心身ともにリラックスして行きます。眠る前に副交感神経を優位にさせることが睡眠不足解消の一番の鍵です。逆にぬるま湯ではなく、眠る前に熱めのお風呂に入ると交感神経が優位になってしまうため注意が必要です。気持ちよく寝るには身体をぽかぽかと温めておきましょう。

②.一杯のハーブティーを飲む

ハーブティーの匂いがリラクゼーション効果を誘い副交感神経を優位にしてくれます。また、ハーブティーには身体をぽかぽかと温める効果もあるため、身体の内側からもリラックスして行きます。カフェインがないため交感神経を優位にする事もありません。気持ちよく寝るためのポイントとして夜中に起きないように一杯だけに留めておいて下さい。

③.一杯のホットミルクを飲む

ホットミルクも身体を温めリラクゼーション効果を高め、副交感神経を優位にして行きます。夜中に空腹感がある場合はハーブティーよりもホットミルクの方がおすすめです。ホットミルクを飲むことで、空腹感が満たされるからです。気持ちよく寝るならハーブティーと同じく何杯も飲み過ぎないようにしてください。

④.リラクゼーションの音楽を聞く

リラクゼーションの音楽は聴くだけで副交感神経を優位にして行く効果があります。眠る前の緊張をやわらげる上でリラクゼーション音楽の持つ効果は絶大です。タイマーをセットし気持ちよく寝るまでの間、癒しのエネルギーに包まれてみるのはいかがでしょうか?

⑤.観葉植物を眺める

観葉植物を眺めるとで目の緊張が和らぎます。また、観葉植物の加湿でドライアイを緩和する効果もあります。観葉植物がある事で、湿度調整が自動的にされるのもポイントです。部屋自体の居心地がよくなるという事ですね。また、緑色は人をリラックスさせる効果がある色です。これらを踏まえ、気持ちよく寝るには観葉植物を眺め副交感神経を優位にする事はとても効果的な方法です。

⑥.照明は暗めにしておく

人は夜になると自動的に副交感神経が優位になるように出来ています。しかし、照明が明るいと、脳は朝だと勘違いしたままになってしまうため、いつまでたっても副交感神経が優位になることは出来なくなってしまいます。夜眠る前は意図的に証明を暗くして置く事で副交感神経を優位にする事が出来るのです。

⑦.パートナーに抱き着くorペットを抱きしめる

人や動物と触れ合う事で脳は多幸感を与えてくれる幸せホルモンであるオキシトシンを放出してくれます。多幸感があふれることで副交感神経は優位になり身も心もリラックスして行きます。気持ちよく寝るにはパートナーやペットを抱きしめる事も大切な行為です。

オキシトシンについて詳しくは下記の記事をご参照下さい。

幸せホルモンオキシトシン!ストレス解消の特効薬の効き目!

⑧.瞑想をする

眠る前に瞑想をする事で脳からストレスがなくなり、頭の中に散らばっていた情報も整理されるため、眠りにつきやすくなります。また、日中15分の瞑想は2時間分の睡眠に匹敵すると言われているほど瞑想と睡眠のつながりは深いです。瞑想を行う事で睡眠の質は格段に向上していきます。気持ちよく寝るには個人的に瞑想は欠かせないと思っています。

6.手足を温める

冷え性の人は手足が冷たいと、血行が悪くなることで、必然的に脳も身体もリラックス状態に入るまでに時間がかかってしまいます。そうなることで、入眠にかかるまでの時間が長くなり、質の高い睡眠をとることが難しくなってしまうのです。

このようになりにくくするためにも、就寝前にゆっくりと湯船につかったり、足元に1枚多く毛布を掛けたりと、手足を冷やさないように工夫をしていくことが大切です。また、自己催眠を使い手足の温度を上げて行くことも冷え性対策には効果的です。自己催眠については後述します。

7.寝室は別にする

寝室を別にすることも質の高い睡眠をとるには大切です。生活空間と寝室が一緒の場合、いざ睡眠をとろうとしてもなかなか気分の切り替えが出来ないものです。一方、寝室が分かれている場合は、寝室に足を踏み込んだ時から脳が睡眠モードに切り替わっていくのです。

これは、寝室と言う空間そのものがアンカリングの効果を発揮しているからだと言えます。いつも寝る場所ということを脳が理解しているため、寝室に入るとぐっすりと眠ることが出来るのです。そのため、質の高い睡眠をとる上では寝室を別々にするほうが効果が高いのです。

8.寝酒、寝たばこ、カフェインは厳禁

寝る前の刺激物は質の高い睡眠を取るうえで足かせとなってしまいます。特に就寝前の1~2時間前に刺激物を取ってしまうと、いざ寝つこうと布団の中に入って目をつぶったとしても、なかなか入眠出来ません。

寝たばこやカフェインと違い、寝酒の場合は入眠に入りやすくなる性質を持っていますが、アルコールを分解することに体力を消耗し続けるため、質の高い睡眠を取ることが著しく難しくなってしまいます。浅い睡眠しか出来ずに夜中に何度も目が覚めてしまい、結果として睡眠不足となってしまうのです。

毎晩、お酒を飲んで寝つくという人もいますが、質の高い睡眠を取るという視点から考えると、とてもおすすめ出来ません。日々の眠りが浅くなり、常に寝不足の状態が続いてしまうことになるのですから。

9.就寝前1~2時間はリラックスする

就寝前までパソコンやスマートホンをいじっていたり、仕事や勉強をし続けてしまうと、交感神経が冴えわたってしまいます。そうなると、アドレナリンが止まらずに、いざベッドに入ったとしても、脳の活動が納まるには長い時間がかかってしまいます。

質の高い睡眠を取るには就寝前の1~2時間は、ゆっくり湯船につかったり、リラックスできる音楽を聞いたり、軽く身体をほぐしたりと、リラックスすることを心掛けて見て下さい。リラックスすることで、副交感神経が働き質の高い睡眠に向けて身体を整えていくのです。

10.昼間にウォーキングをする

ウォーキングを習慣にすると、質の高い睡眠を取ることが出来るようになります。その理由は、適度な運動と、日光に当たることで体内時計がリセットされ、夜に眠くなるという人間本来の睡眠リズムに戻っていくからです。

また、有酸素運動であるウォーキングを続けることで、精神的なストレスが発散されることも質の高い睡眠を取るうえで有効なアドバンテージだと言えます。

ウォーキングをすることで、心身ともに健康になりながらぐっすりと眠ることも出来るようになるのです。

11.自己催眠を行う

自己催眠について詳しくはご紹介!8歳から出来る本格的自己催眠術導入セッションをご覧ください。質の高い睡眠を取るうえで重要なのは第一段階の「ウデガオモイ」「ウデガアタタカイ」です。この催眠をかけることで腕にかかっていた力がなくなっていきます。

そうなると、脳が今まで腕に欠けていた分の力を抑えることが出来、結果として、脳の負担が減るために眠りに入っていきやすくなるのです。ちなみに慣れてきたら、「リョウウデリョウアシガオモタクテアタタカイ」と催眠をかけることでより効果を実感してみて下さい。

先ほどの冷え性の項目でもお伝えしましたが、この催眠をかけることで両腕、両足がぽかぽかと温かくなってくるため、冷えた手足を温めるのにも効果的です。ちなみに、自己催眠で体温が上がることは研究結果のデータとして出ています。実際に手足の温度が変わって来るのです。

いままで身体にかかっていた力が自己催眠によってなくなるだけで、入眠にかかる時間はおどろくほど少なくなります。また、自己催眠は続けるほど効果が高まってくる性質を持っています。質の高い睡眠を取るうえで個人的に最もおすすめな方法です。

ただし、デメリットとしては、自己催眠が出来るようになるまで1~2か月ほどは時間がかかってしまうというと事です。先ほど、ご紹介した自己催眠のリンクには自己催眠について徹底的に詳しく書かせていただきましたので、ご参考下さい。

まとめ

いかがでしたか?質の高い睡眠を取るには日ごろからの意識が大切だという事がご理解いただけたのではないでしょうか?また、普段なにげなくおこなっていたことが、質の高い睡眠をさまたげていたということに気が付かれた人も多かったと思います。

人のパフォーマンスはいかに質の高い睡眠をたっぷりとったかによって決まってきます。だからこそ、日ごろから質の高い睡眠を取るための行動をすることが大切なのです。つねに最大のパフォーマンスが発揮できるよう、質の高い睡眠を心掛けてみてはいかがでしょうか?

よりウェルビーイングの理解を深めたい方は下記のカテゴリから必要な記事をご参照下さい。

参考文献

人に言えない不安やストレスと向き合う方法 野崎京子 マガジンハウス

エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン かんき出版

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